2018年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 401-2 核燃料とその照射挙動

[3D06-09] 燃料及びFP基礎物性

2018年3月28日(水) 10:55 〜 12:00 D会場 (R1棟 R1-212)

座長:渡部 雅 (JAEA)

11:10 〜 11:25

[3D07] 電子励起損傷に伴う安定化ジルコニアの微細構造発達

*山口 芳明1、山本 知一1、吉岡 聰1、安田 和弘1、松村 晶1、髙木 聖也2、石川 法人2 (1. 九州大学、2. 原子力機構)

キーワード:イオントラック、高密度電子励起損傷、蛍石型酸化物、電子顕微鏡

優れた耐照射損傷性を有する蛍石型酸化物セラミックスは、軽水炉燃料(UO2)として利用され、核変換処理材料の候補にも挙げられている。これらの材料中には核分裂片による高密度電子励起損傷が誘起され、柱状の照射欠陥であるイオントラックが形成される。イットリア添加安定化ジルコニア(YSZ)は立方晶蛍石構造を有し、長寿命核種核変換母相材料として期待されているが、YSZ中のイオントラック構造や蓄積過程に関する知見は不十分である。本研究では高速重イオン(200 MeVXe14+)を照射したYSZを微細構造を透過型電子顕微鏡を用いて観察した。観察結果より、YSZのイオントラックサイズは直径1.5 nmであり、中心領域では原子数密度が低下しているが、蛍石構造は保持されていることが分かった。また、イオントラック蓄積過程の解析から、イオントラックの周辺には直径4.6 nmの回復影響領域が存在し、形成効率は同じ蛍石構造のセリアと比べて著しく低いことが分かった。