[2L01-05] セーフティケース等

[2L04] NUMOセーフティケースにおける信頼性確保の取組み

(4)多面的な指標を用いた安全性の検討

*藤崎 淳¹、藤山 哲雄¹、鈴木 覚¹、梅木 博之¹ (1. 原子力発電環境整備機構)

キーワード：地層処分、セーフティケース、技術的信頼性、溶存無機炭素濃度、補完的安全指標

NUMOセーフティケースでは，核種移行解析結果に基づく処分場の閉鎖後長期の安全評価を行った結果，わが国で想定される3種類の母岩に対して安全性を確保できる見通しを得た（石田他）。この際，地下水中の炭酸濃度が放射性核種の移行評価に大きな影響があることが理解されたことから，地下水水質のバリエーションに関する議論（太田他）に基づき，わが国で観測されている高いレベルの炭酸濃度を有する地下水水質を保守的に想定した場合の線量評価結果への影響を検討した結果，処分場の安全性が損なわれるような結果にはならないことを確認した。また，被ばく線量以外の指標として，処分場による放射能の閉じ込め性能や，処分場由来の放射能量と天然の放射能量の比較などによって，地層処分システムが長期にわたり適切に機能する見通しを示した。このような多面的な論拠は，安全な地層処分が実現可能とするセーフティケースに関する信頼性を高めている。