2018年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 404-3 燃料再処理

[3N01-05] 乾式プロセス

2018年3月28日(水) 09:30 〜 10:55 N会場 (M3棟 M3-211)

座長:渡部 創 (JAEA)

09:45 〜 10:00

[3N02] Gd-Cd金属間化合物の熱力学的安定性

*明石 信1、柴田 裕樹1、佐藤 匠1、林 博和1 (1. 日本原子力研究開発機構)

キーワード:乾式再処理、Cd蒸留分離、金属間化合物、ギブスの生成自由エネルギー、電気化学測定

現在開発中の金属燃料や窒化物燃料の乾式再処理では、溶融塩電解によって超ウラン元素(TRU)を液体Cd陰極中へ分離回収する。回収したTRU-Cd合金からのCd蒸留分離による金属や窒化物への再転換では、中間生成物として、TRU-Cd金属間化合物の生成が報告されている。これらの金属間化合物の熱力学的安定性は、Cd蒸発や窒化物生成挙動に関係するため、それを理解することは、プロセスの最適化のために重要である。本研究では、TRU模擬物質としてGdを用い、溶融LiCl-KCl-GdCl3-CdCl2(673-823K)の電気化学測定を行い、6種類のGd-Cd金属間化合物の生成自由エネルギー(∆Gf0 )を導出した。773KにおけるGdCd、GdCd2、GdCd3、GdGd45/11、GdCd58/13、GdCd6の∆Gf0 は、-40.5、-81.6、-102.3、-114.4、-118.0、-124.0 kJ/mol であり、蒸気圧測定結果から導出された報告値とよく一致した。これらの∆Gf0 から算出した一原子当たりのギブズ自由エネルギーG/(x+1)は、GdCd2で最小値を示し、Gd-Cd系と同様の挙動を示すTRU-Cd系においてもTRUCd2が最も安定であることを示唆している。