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[1H09] 高温高圧水曝露下でのインコネル600中のトリチウム透過
キーワード:トリチウム、透過、蒸気発生器、ニッケル基合金
核融合発電で使用される蒸気発生器配管をトリチウム(T)が透過すると,環境中への漏洩リスクが高まるため,Tの移行挙動把握は重要である.本研究ではインコネル600試料膜を介した高温高圧水へのT透過量を評価した.容器の片側にT水(0.9 MBq/cm3),他方に軽水を導入し,280 ℃で14〜60時間加熱した.加熱後,軽水側のT濃度を測定した.14時間までの透過速度は1 Bq/hであったが,その後は3 Bq/hとなり,14時間を境に透過速度が増加した.Tは分子を形成したまま金属中を透過することはなく,金属の酸化反応に伴い遊離したTがHとともに軽水側に透過する.一方,T水側にHTとして放出されるものもある.軽水側表面ではH2Oとの同位体交換も行われ,HTOの状態で放出される.加熱時間とともにHTの分圧が上昇し,14時間を境として透過速度が増加したと考えられる.発表ではT透過の機構について議論する.