2022年秋の大会

講演情報

一般セッション

VI. 核融合工学 » 601-3 トリチウム工学(燃料回収・精製,計測,同位体効果,安全取扱い)

[1H06-10] トリチウム

2022年9月7日(水) 14:45 〜 16:10 H会場 (E1棟3F 33番教室)

座長:大矢 恭久(静岡大)

15:30 〜 15:45

[1H09] 高温高圧水曝露下でのインコネル600中のトリチウム透過

*松本 あずさ1、波多野 雄治1 (1. 富山大)

キーワード:トリチウム、透過、蒸気発生器、ニッケル基合金

核融合発電で使用される蒸気発生器配管をトリチウム(T)が透過すると,環境中への漏洩リスクが高まるため,Tの移行挙動把握は重要である.本研究ではインコネル600試料膜を介した高温高圧水へのT透過量を評価した.容器の片側にT水(0.9 MBq/cm3),他方に軽水を導入し,280 ℃で14〜60時間加熱した.加熱後,軽水側のT濃度を測定した.14時間までの透過速度は1 Bq/hであったが,その後は3 Bq/hとなり,14時間を境に透過速度が増加した.Tは分子を形成したまま金属中を透過することはなく,金属の酸化反応に伴い遊離したTがHとともに軽水側に透過する.一方,T水側にHTとして放出されるものもある.軽水側表面ではH2Oとの同位体交換も行われ,HTOの状態で放出される.加熱時間とともにHTの分圧が上昇し,14時間を境として透過速度が増加したと考えられる.発表ではT透過の機構について議論する.