2022年秋の大会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 203-2 ビーム利用・ビーム計測・ターゲット

[1N05-09] ビーム利用・ターゲット1

2022年9月7日(水) 14:45 〜 16:10 N会場 (E2棟1F 102番教室)

座長:小栗 慶之(東工大)

14:45 〜 15:00

[1N05] 核破砕中性子源水銀標的の耐久性向上に向けた研究開発

(1)ガス気泡の損傷抑制効果のメカニズムと損傷観察結果

*粉川 広行1、川島 広之2、有吉 玄1、猿田 晃一1、涌井 隆1、直江 崇1、羽賀 勝洋1、二川 正敏1、祖山 均3、伊藤 啓4 (1. JAEA、2. 茨城大、3. 東北大、4. 京大)

キーワード:J-PARC、水銀標的、圧力波、キャビテーション損傷、微小気泡、高出力高寿命化

J-PARCの核破砕中性子源施設では、使用済み水銀標的容器の保管数削減の観点から、容器の耐久性向上が求められている。容器の長寿命化のために、水銀中にヘリウムガスの微小気泡を注入して、ガス気泡が陽子ビーム入射による水銀の熱膨張を吸収することで、損傷の要因となる圧力波を低減する運転を実施している。容器の損傷を観察した結果、ガス気泡の注入量増加によって損傷の抑制を確認した一方で、ガス気泡からの衝撃圧によるものと考えられる損傷を観察した。耐久性を向上するためには、微小ガス気泡によるキャビテーション抑制効果とガス気泡が発する衝撃圧力の相関を把握して最適な気泡条件を見出すとともに、照射損傷に対する材料の健全性評価及び異常診断技術の導入が重要となる。本報では、シリーズ発表の第1報として、高出力条件下での長寿命化を目指した水銀標的の研究開発の概要とガス気泡の攻撃によると考えられる損傷結果について報告する。