2023年度全国大会(第58回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[20]-[23]

2023年11月11日(土) 13:30 〜 14:50 第II会場 (A棟 G29教室)

司会:小山 雄資(鹿児島大学)、髙野 裕作(日本都市センター)

13:50 〜 14:10

[21] 鉄道駅周辺地区における超高層集合住宅を伴う市街地再開発事業のコンパクトシティ形成への影響に関する評価

○龍野 杏奈2、松行 美帆子1、田中 伸治1、安部 遼祐1 (1. 横浜国立大学、2. 元 横浜国立大学)

キーワード:市街地再開発事業、超高層集合住宅、コンパクトシティ

近年、鉄道の駅周辺では、超高層集合住宅を伴う都市再開発事業が多く実施されており、このような都市再開発事業は、コンパクトシティの形成に寄与すると考えられている。しかし、その影響について十分な評価がなされないまま承認されてきた。そこで、本研究では、超高層集合住宅を伴う都市再開発事業がコンパクトシティの形成に与える影響とその効果を検討し、鉄道駅周辺の都市再開発事業の今後のあり方を検討することを目的とする。指標を設定して、その指標に則り、首都圏郊外における超高層集合住宅を伴う都市再開発事業の29事例の評価と、駅周辺の超高層集合住宅居住者へのアンケート調査の結果による評価を実施した。その結果、超高層集合住宅を伴う市街地再開発事業自体のコンパクトシティ形成に対しての影響は、事業により直接もたらされる効果である歩行者環境や交通広場などの整備による効果は大きかったが、駅周辺への人口の集約、生活利便性の向上、地域経済の活性化などについては大きな効果があるとは言い難い結果となった。また、駅近くの超高層集合住宅への転居による効果についても、もとから駅近くに居住していた人が多く、大きな効果はなく、かつ効果があったものも、超高層集合住宅という住宅の形態ではなく、駅の近くという場所の特性による効果であったと考えられる。