[P1-22] 抑うつ傾向が低いとポジティブ想起を過大評価する
キーワード:既学習判断、抑うつ傾向、感情価
Takahashi (2018) は,抑うつ傾向者のネガティブ項目に対するメタ記憶判断は後の想起可能性を過大評価すると報告した。しかしながら,この結果はネガティブ項目特有で起こる現象か,感情価の有無によって生じるかは明らかではない。本実験では,Takahashi (2018)と同様に,個人差要因として現在の抑うつ状態に焦点を当て,抑うつ傾向者はネガティブ項目と同様に,ポジティブ項目でも想起を過大評価するかどうかを検討した。参加者はポジティブ語とニュートラル語に対して,その単語を後でどれほど思い出すことができるかの既学習判断を行い,その後自由再生を行った。結果として,抑うつ傾向者のポジティブ項目の対する想起の過大評価はみられなかった。一方,統制群は,ポジティブ語に対する既学習判断が再生成績よりも上回った。ここからネガティブ項目に対する想起の過大評価は抑うつ傾向特有の現象であり,ポジティブな事象の想起の過大評価が精神的健康を保つ可能性が示唆された。
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