[PB039] 聴覚障害学生の音声に関する発音評価
単音節発語明瞭度を指標として
Keywords:聴覚障害, 発音, 単音節発語明瞭度
1問題の所在と目的
聴覚障害学生の中には発音の改善を希望する学生もみられる。聴覚障害学生を対象とした発音の評価・指導について言及した研究は少ない。本研究は、聴覚障害を有する大学生、大学院生における発音改善のためのプログラムを提案するため、発音の質的な分析を試みた。
2方法
(1)対象者:発音に関心を示す聴覚障害学生4名(21歳~25際)。良聴耳の平均聴力レベルは85dBHL~100dBHLであった。
(2)評価者:評価者は健聴成人32名であった。32名を4グループに分け、1グループ8名の評価者で構成された。
(3)音声サンプル:日本語100音節を用いた。各音節には、清音、濁音、半濁音、拗音が含まれていた。
(4)録音方法:対象者の音声は口前10cmに置かれたコンデンサーマイクロホン(SONY ECM-959A)を通してリニアPCMレコーダ(SONY PCM-M10)に録音された。各対象者の音声サンプルはアンプ(Audio-Technica AT-SA50)及びスピーカ(Audio-Technica AT-SP500)を通して、評価者に対して65dBSPLで呈示された。
(5)評価方法:音声サンプルは1音節ごとに再生され、評価者は聞こえた通りに書き取った。
3結果と考察
表1に100音節平均発語明瞭度を示す。46.8%~80.0%の範囲にあった。表2に母音の平均発語明瞭度を示す。母音の平均発語明瞭度は、100音節と比して高い割合を示した。表3に列ごとの平均発語明瞭度を示す。最高値について対象Aはオ列、対象Bはエ列、対象Cはア列、対象Dはオ列であった。表4は清音における行ごとの平均発語明瞭度を示す。サ行に最低値を示す対象が3名認められた。サ行が不明瞭であることは、聴覚障害者の音声に認められる特徴ではあるものの、個人差があり幼少期からの発音の難しさが大学生の年齢まで続いていることが推測された。表5は濁音、半濁音における行ごとの平均発語明瞭度を示す。対象ABCはザ行のパーセンテージが低いことが示された。しかし最高値においては対象者ごとに異なっていた。各対象者の発音にみられる特徴を分析し、発音を改善するための音節を把握することで全体の発語明瞭度を上げることが可能となることが示唆された。
聴覚障害学生の中には発音の改善を希望する学生もみられる。聴覚障害学生を対象とした発音の評価・指導について言及した研究は少ない。本研究は、聴覚障害を有する大学生、大学院生における発音改善のためのプログラムを提案するため、発音の質的な分析を試みた。
2方法
(1)対象者:発音に関心を示す聴覚障害学生4名(21歳~25際)。良聴耳の平均聴力レベルは85dBHL~100dBHLであった。
(2)評価者:評価者は健聴成人32名であった。32名を4グループに分け、1グループ8名の評価者で構成された。
(3)音声サンプル:日本語100音節を用いた。各音節には、清音、濁音、半濁音、拗音が含まれていた。
(4)録音方法:対象者の音声は口前10cmに置かれたコンデンサーマイクロホン(SONY ECM-959A)を通してリニアPCMレコーダ(SONY PCM-M10)に録音された。各対象者の音声サンプルはアンプ(Audio-Technica AT-SA50)及びスピーカ(Audio-Technica AT-SP500)を通して、評価者に対して65dBSPLで呈示された。
(5)評価方法:音声サンプルは1音節ごとに再生され、評価者は聞こえた通りに書き取った。
3結果と考察
表1に100音節平均発語明瞭度を示す。46.8%~80.0%の範囲にあった。表2に母音の平均発語明瞭度を示す。母音の平均発語明瞭度は、100音節と比して高い割合を示した。表3に列ごとの平均発語明瞭度を示す。最高値について対象Aはオ列、対象Bはエ列、対象Cはア列、対象Dはオ列であった。表4は清音における行ごとの平均発語明瞭度を示す。サ行に最低値を示す対象が3名認められた。サ行が不明瞭であることは、聴覚障害者の音声に認められる特徴ではあるものの、個人差があり幼少期からの発音の難しさが大学生の年齢まで続いていることが推測された。表5は濁音、半濁音における行ごとの平均発語明瞭度を示す。対象ABCはザ行のパーセンテージが低いことが示された。しかし最高値においては対象者ごとに異なっていた。各対象者の発音にみられる特徴を分析し、発音を改善するための音節を把握することで全体の発語明瞭度を上げることが可能となることが示唆された。