[PD54] PTA活動の役員を経験した保護者の意識調査2
アンケート調査の自由記載欄より
キーワード:PTA活動, 保護者, 意識調査
はじめに
PTA(Parent-Teacher Association(以下「PTA」とする))活動は,地域差はあれ学校組織・地域社会に与える影響力が認められると言えるほどPTAという組織は一般化されていると言える。その影響力は肯定的に捉えられるものばかりではなく,否定的に捉えられることもあり,国会答弁の中でも言及されるほどである。本研究では実際にPTA活動に役員として関りを持つ保護者に意識調査を行うことで,得られた価値について明らかにし,今後の活動の示唆とすることを目的とする(尚,本研究は名古屋短期大学研究紀要発表の再分析を用いている)。
調査方法と分析方法
(1) 調査方法 1)研究デザイン:無記名自記式質問紙調査法を用いた横断研究。2)調査期間:2014年1月から2014年3月。3)調査対象:平成25年度A県B市小・中学校全12校のPTA活動に関わる保護者,なかでもPTA活動に積極的に関わる機会が多いと考えられるPTA会長をはじめとする役員の役割を担う保護者に限定し,PTA一般会員は除外した。4)調査方法:各学校のPTA会長に対し,研究計画に基づく説明を文書と対面にて行った。 5)調査内容:各種属性(性別,年齢,所属PTA,役職,PTA活動経験年数)の他に,PTA活動に関わっている保護者の意識に関する項目として,PTA活動を通して『大変なことや嫌な思いをしたこと』『子どもとの関係の変化』『学校との関係や考え方に変化』『地域との関係に変化』『これは見直すべきと思う活動』『良かったこと』『今後へ伝えたいこと』の計7問を質問している。質問への回答は,『全くなかった』『なかった』『あまりなかった』『少しあった』『あった』『とてもあった』の6段階評価法とした。また,質問項目毎に自由に記載できる欄も設けた。(2) 分析方法と倫理的配慮 1)分析方法:統計解析はMicrosoft Excel 2010を用いて行った。2)倫理的配慮:本研究は,A県B市PTA連絡協議会定例会の承認を得た上で実施した。
結 果
PTA活動を通して『良かったこと』の項目に設けた自由記載欄では,「人の輪が広がった」「学校,先生と近くなれた。子どもの様子がよく伝わった。新しい知り合いが増えた」「小学校では保護者の方と関わる機会が少ないので関わる機会が増えた。学校の先生方と本心で話せる機会もあり良かった」「地区委員のメンバーに恵まれ楽しく活動できました」「地区委員の方を含め,保護者の方との触れ合いがありました」「友達が出来た」「飲みに行けた」「知人が増えた」「地区委員の人達と綱引き,レクリエーション,長縄跳びなどで一緒にスポーツできたこと」「仲間ができた」「新たな交流があり友人が増えた」「新しい友達が出来たこと。子どもの事で相談する友が増えたこと」と記載。
考察と今後
PTA活動に関わることで良かったと感じられる内容については,PTA活動の直接的内容だけでなく,特にPTA活動を通じて広がる人間関係の繋がりが得られることも保護者がPTA活動に関わり良かったと体験できることに大きく寄与していると考えられる。今回の調査では肯定的な発言が多く集まったが,主体性を発揮しやすい役員への調査であることが起因すると考えられる。今後は役員以外のPTA活動に関わる方々や教員,健全な発達を願う子ども達のPTA活動に対する捉え方を明らかにすることが課題であると考える。
PTA(Parent-Teacher Association(以下「PTA」とする))活動は,地域差はあれ学校組織・地域社会に与える影響力が認められると言えるほどPTAという組織は一般化されていると言える。その影響力は肯定的に捉えられるものばかりではなく,否定的に捉えられることもあり,国会答弁の中でも言及されるほどである。本研究では実際にPTA活動に役員として関りを持つ保護者に意識調査を行うことで,得られた価値について明らかにし,今後の活動の示唆とすることを目的とする(尚,本研究は名古屋短期大学研究紀要発表の再分析を用いている)。
調査方法と分析方法
(1) 調査方法 1)研究デザイン:無記名自記式質問紙調査法を用いた横断研究。2)調査期間:2014年1月から2014年3月。3)調査対象:平成25年度A県B市小・中学校全12校のPTA活動に関わる保護者,なかでもPTA活動に積極的に関わる機会が多いと考えられるPTA会長をはじめとする役員の役割を担う保護者に限定し,PTA一般会員は除外した。4)調査方法:各学校のPTA会長に対し,研究計画に基づく説明を文書と対面にて行った。 5)調査内容:各種属性(性別,年齢,所属PTA,役職,PTA活動経験年数)の他に,PTA活動に関わっている保護者の意識に関する項目として,PTA活動を通して『大変なことや嫌な思いをしたこと』『子どもとの関係の変化』『学校との関係や考え方に変化』『地域との関係に変化』『これは見直すべきと思う活動』『良かったこと』『今後へ伝えたいこと』の計7問を質問している。質問への回答は,『全くなかった』『なかった』『あまりなかった』『少しあった』『あった』『とてもあった』の6段階評価法とした。また,質問項目毎に自由に記載できる欄も設けた。(2) 分析方法と倫理的配慮 1)分析方法:統計解析はMicrosoft Excel 2010を用いて行った。2)倫理的配慮:本研究は,A県B市PTA連絡協議会定例会の承認を得た上で実施した。
結 果
PTA活動を通して『良かったこと』の項目に設けた自由記載欄では,「人の輪が広がった」「学校,先生と近くなれた。子どもの様子がよく伝わった。新しい知り合いが増えた」「小学校では保護者の方と関わる機会が少ないので関わる機会が増えた。学校の先生方と本心で話せる機会もあり良かった」「地区委員のメンバーに恵まれ楽しく活動できました」「地区委員の方を含め,保護者の方との触れ合いがありました」「友達が出来た」「飲みに行けた」「知人が増えた」「地区委員の人達と綱引き,レクリエーション,長縄跳びなどで一緒にスポーツできたこと」「仲間ができた」「新たな交流があり友人が増えた」「新しい友達が出来たこと。子どもの事で相談する友が増えたこと」と記載。
考察と今後
PTA活動に関わることで良かったと感じられる内容については,PTA活動の直接的内容だけでなく,特にPTA活動を通じて広がる人間関係の繋がりが得られることも保護者がPTA活動に関わり良かったと体験できることに大きく寄与していると考えられる。今回の調査では肯定的な発言が多く集まったが,主体性を発揮しやすい役員への調査であることが起因すると考えられる。今後は役員以外のPTA活動に関わる方々や教員,健全な発達を願う子ども達のPTA活動に対する捉え方を明らかにすることが課題であると考える。