[PF28] 知識構成型ジグソー法が中学校理科授業に及ぼす影響
授業設計・評価マトリクスを用いて
Keywords:アクティブラーニング, 知識構成型ジグソー法, 授業設計・評価
問題の所在と研究の目的
中学校理科教育法は知識注入型に多くを頼っており,考える力を育成することは余りしてこなかった。どのように考えさせるかが問題であったが,アクティブラーニングの一手法である知識構成型ジグソー法を用いて考えが深まるか否かを検討した。実施単元は中学1年生の「気体の性質について」で行った。
アンモニアの噴水実験を行い,「赤い噴水がなぜ起きるのか」という課題に対して知識構成型ジグソー法を用いて協調学習を行った。
研究の方法
アクティブラーニングの手法を用いて,生徒に考えを交流させるような授業と,用いない授業を比較し,生徒の考える力や記述する内容に違いがある否かについてマトリクスを用いて調査する。
結 果
アクティブラーニングを導入した授業では,生徒の記述において
・自分の考えを書く事ができるようになった。
・記述の長さが長くなった。
また,アンケート調査から
・自分の考えが深まった。
・粘り強く考えることができた。
・自分の考えに間違えを見つけ,正すことができた。
・自信を持ち,発表できた。
という意見がみられた。
定期テストにおいても,「吸い上げられた水の色が無色から赤色に変化した理由を答えなさい。」という説明を求める問題において,実践前は正答率が15%であったものが,実施後には32%に上昇した。また,「水が丸底フラスコ内に吸い上げられた理由を,簡単に説明しなさい。」という問題においては,実施前の正答率は7%であったものが実施後には19%に上昇していた。
考 察
アクティブラーニングを導入することで,自分の考えをきちんと持つことができた生徒が多く見られた。そのため,根拠を元にまとめなどを書く事ができるようになったと考えられる。また,発表においても,自信をもって相手に説明する姿が見られた。
お互いの意見を交流させることで,自分の考えが深まるとともに,他の意見から自分の考えを見直す機会ができ,間違えに気づくことができたと考えられる。
定期テストの結果から,正答率は低い数値ではあるが,自分の考えを持ち伝える活動を通して,他者に説明する能力の獲得につながっているのではないかと考えられる。
アクティブラーニングの効果を測定するのは難しいと考えていたが,マトリクスを用いて基準を作っておけば生徒の記入内容の比較が容易で,効果の測定を行うことが出来た。
他の単元でも用いることで,効果を調べ,生徒の考える力を育成していきたい。
●アンケート結果
質問①授業は楽しかったか
質問②友達と一緒に考えることで自分の考えが良くなったか
質問③粘り強く考えることができたか
参考文献
大学発教育支援コンソーシアム推進機構(CoREF)ホームページhttp://coref.u-tokyo.ac.jp/
中学校理科教育法は知識注入型に多くを頼っており,考える力を育成することは余りしてこなかった。どのように考えさせるかが問題であったが,アクティブラーニングの一手法である知識構成型ジグソー法を用いて考えが深まるか否かを検討した。実施単元は中学1年生の「気体の性質について」で行った。
アンモニアの噴水実験を行い,「赤い噴水がなぜ起きるのか」という課題に対して知識構成型ジグソー法を用いて協調学習を行った。
研究の方法
アクティブラーニングの手法を用いて,生徒に考えを交流させるような授業と,用いない授業を比較し,生徒の考える力や記述する内容に違いがある否かについてマトリクスを用いて調査する。
結 果
アクティブラーニングを導入した授業では,生徒の記述において
・自分の考えを書く事ができるようになった。
・記述の長さが長くなった。
また,アンケート調査から
・自分の考えが深まった。
・粘り強く考えることができた。
・自分の考えに間違えを見つけ,正すことができた。
・自信を持ち,発表できた。
という意見がみられた。
定期テストにおいても,「吸い上げられた水の色が無色から赤色に変化した理由を答えなさい。」という説明を求める問題において,実践前は正答率が15%であったものが,実施後には32%に上昇した。また,「水が丸底フラスコ内に吸い上げられた理由を,簡単に説明しなさい。」という問題においては,実施前の正答率は7%であったものが実施後には19%に上昇していた。
考 察
アクティブラーニングを導入することで,自分の考えをきちんと持つことができた生徒が多く見られた。そのため,根拠を元にまとめなどを書く事ができるようになったと考えられる。また,発表においても,自信をもって相手に説明する姿が見られた。
お互いの意見を交流させることで,自分の考えが深まるとともに,他の意見から自分の考えを見直す機会ができ,間違えに気づくことができたと考えられる。
定期テストの結果から,正答率は低い数値ではあるが,自分の考えを持ち伝える活動を通して,他者に説明する能力の獲得につながっているのではないかと考えられる。
アクティブラーニングの効果を測定するのは難しいと考えていたが,マトリクスを用いて基準を作っておけば生徒の記入内容の比較が容易で,効果の測定を行うことが出来た。
他の単元でも用いることで,効果を調べ,生徒の考える力を育成していきたい。
●アンケート結果
質問①授業は楽しかったか
質問②友達と一緒に考えることで自分の考えが良くなったか
質問③粘り強く考えることができたか
参考文献
大学発教育支援コンソーシアム推進機構(CoREF)ホームページhttp://coref.u-tokyo.ac.jp/