[PF36] 協働的な学びを導入する際の諸問題を協働的な授業検討会の実践により乗り越える試み
国語科の授業による取組を通して
Keywords:学校研究, 協同的な学び, 協同的な授業検討会
目 的
協働的な学びの実践が広がっていく中で,いくつかの実践上の問題が指摘されるようになってきた。(例えば杉浦と奥田 2016)。指摘されている問題は大きく分けて次の3つである。杉浦らは「これらの困難や問題はわれわれの未熟さに起因するところがあろうと」と前置きしているが,実践の場である学校には切実な問題である。杉浦らが指摘するのは,「1 考え方の共有についての問題(ヴィジョン・哲学・考え方)」「2 課題設定についての問題」「3 共有化が困難である問題」である。本研究の目的は,協働的な学びを学校現場で実践する際にこれらの問題をどのように解決していけばよいか,その方法を探ることにある。
方 法
「協働的な授業検討会」という手法を用いて,前述した課題を解決していく。協働的な授業検討会は佐藤 学氏が実践されていた授業検討会を基に,名古屋大学付属小学校等で実践されていたものを参考にしながら公立小中学校での校内研修等を念頭に置き作成したもので,児童生徒の協働的な学びの理論を教職員に応用したものである。
(平成26年度埼玉県教職員実践提案でご検索ください。)しかし教師間の協働学習について先行研究は少ない。その中でジョン・ブランスフォードらは「教師は本来自らの教育実践をとおして学習するものであり,((2004, p198-208),『アクション・リサーチ』をとおしても学習」し,また教師は他の教員との相互交渉をとおして学習するとしている。さらに,デビット・W・ジョンソンら (2004, p.131) も「教師が学校に対してできる最も建設的な貢献の一つは,教師同士が協働し合い,教室での協働学習を促すことである」と述べている。本論文の効果の測定は,アンケートやインタビュー等,内省を追う方法をとる。本研究には校長としての筆者も関わり,アクション・リサーチ的な手法をとる。協働的な学びを中心に据えた研究を導入する際の問題を,協働的な授業検討会を通して乗り越えていくか,教職員の変容を追う。
結 果
<H28,5月の教職員アンケート結果>
前述した杉浦と奥田 (2016) の提起した問題を基にアンケートを作成・実施した。(N=16)
(1)「協働的な学び」の考えを全職員で共有することは難しいと思う。
(2)「協働的な学び」にふさわしい(学習)課題を設定することは困難なことだと思う。
(3)「協働的な学び」を実践するための約束事等を全職員で共有することは難しいと思う。
考 察
授業公開が始まり,合わせて協働的な授業検討会を実践する。協働的な学びの実践により教師の考えがどの場面でどのように変容していくか,内省や発言回数等を丁寧に追いながら考察していく。
文 献
杉浦 健・奥田雅史:学びの共同体の授業実践-理論,現状,課題-近畿大学教育論叢26巻第Ⅰ号 (20014・9) pp11,15
D・W・ジョンソン, E・J・ホルベック著, 杉江修二,石田裕久,伊東 篤訳:「学習の輪 アメリカの協同学習入門」,二弊社, 2004
ジョン・ブランスフォード, アン・ブラウン,ロドニー・クッキング:「授業を変える認知心理学のさらなる挑戦―」北大路書房, 2004
協働的な学びの実践が広がっていく中で,いくつかの実践上の問題が指摘されるようになってきた。(例えば杉浦と奥田 2016)。指摘されている問題は大きく分けて次の3つである。杉浦らは「これらの困難や問題はわれわれの未熟さに起因するところがあろうと」と前置きしているが,実践の場である学校には切実な問題である。杉浦らが指摘するのは,「1 考え方の共有についての問題(ヴィジョン・哲学・考え方)」「2 課題設定についての問題」「3 共有化が困難である問題」である。本研究の目的は,協働的な学びを学校現場で実践する際にこれらの問題をどのように解決していけばよいか,その方法を探ることにある。
方 法
「協働的な授業検討会」という手法を用いて,前述した課題を解決していく。協働的な授業検討会は佐藤 学氏が実践されていた授業検討会を基に,名古屋大学付属小学校等で実践されていたものを参考にしながら公立小中学校での校内研修等を念頭に置き作成したもので,児童生徒の協働的な学びの理論を教職員に応用したものである。
(平成26年度埼玉県教職員実践提案でご検索ください。)しかし教師間の協働学習について先行研究は少ない。その中でジョン・ブランスフォードらは「教師は本来自らの教育実践をとおして学習するものであり,((2004, p198-208),『アクション・リサーチ』をとおしても学習」し,また教師は他の教員との相互交渉をとおして学習するとしている。さらに,デビット・W・ジョンソンら (2004, p.131) も「教師が学校に対してできる最も建設的な貢献の一つは,教師同士が協働し合い,教室での協働学習を促すことである」と述べている。本論文の効果の測定は,アンケートやインタビュー等,内省を追う方法をとる。本研究には校長としての筆者も関わり,アクション・リサーチ的な手法をとる。協働的な学びを中心に据えた研究を導入する際の問題を,協働的な授業検討会を通して乗り越えていくか,教職員の変容を追う。
結 果
<H28,5月の教職員アンケート結果>
前述した杉浦と奥田 (2016) の提起した問題を基にアンケートを作成・実施した。(N=16)
(1)「協働的な学び」の考えを全職員で共有することは難しいと思う。
(2)「協働的な学び」にふさわしい(学習)課題を設定することは困難なことだと思う。
(3)「協働的な学び」を実践するための約束事等を全職員で共有することは難しいと思う。
考 察
授業公開が始まり,合わせて協働的な授業検討会を実践する。協働的な学びの実践により教師の考えがどの場面でどのように変容していくか,内省や発言回数等を丁寧に追いながら考察していく。
文 献
杉浦 健・奥田雅史:学びの共同体の授業実践-理論,現状,課題-近畿大学教育論叢26巻第Ⅰ号 (20014・9) pp11,15
D・W・ジョンソン, E・J・ホルベック著, 杉江修二,石田裕久,伊東 篤訳:「学習の輪 アメリカの協同学習入門」,二弊社, 2004
ジョン・ブランスフォード, アン・ブラウン,ロドニー・クッキング:「授業を変える認知心理学のさらなる挑戦―」北大路書房, 2004