[PE27] 教員養成系大学生のICT機器を用いた指導技術の調査とカリキュラムの開発
キーワード:ICT機器, 教員養成大学, カリキュラム
問題と目的
新学習指導要領の改訂に伴い,コンピュータやプログラミング教育など,ICT機器のさらなる活用が求められている。「教育の情報化に関する手引」(文部科学省2010)では,「教師のICT活用指導力」と称した,ICT機器を活用し効果的な指導を実施する必要性も述べられており,教師のICT機器の活用能力や,ICT機器を活用した指導法を考えたり,子ども自身がICT機器を活用した授業が求められたりすることになった。教員養成系大学において,この課題に対する対応は喫緊であり,教員養成段階から対応が求められるといえ,育成のためのカリキュラムの検討が必要と言える。
このような背景より,本研究では,教員養成課程における大学生が,ICT機器を活用した指導法についてどの程度理解するか,その実態を把握した上で,大学生が教師のICT機器を活用した指導法を習得するための半期のカリキュラムを開発することを目的とした。
方 法
調査時期・対象:
平成28年度後期「ICT授業構成論」(15時間::28年度新規開講授業),K大学の小学校教員を志望し,受講希望した大学3年生6名(うち1名は途中辞退)を対象とした。
調査方法:
具体的には,①ICT機器を活用して指導する際の機能を整理し大学生がどの程度の機能とその機能の活用を理解できるかを確認する。②大学生が小学生を対象としたICT機器を活用した指導案をどの程度作成可能かを検討する。③教員養成課程における教師のICT機器を活用した指導法の習得のための半期のカリキュラムを開発する。
結果・考察
①については,大学生の理解は,ICT機器を活用して授業を行う際の教育的目的と絡めた活用や,ICT機器ならではの活用が十分理解で来ていないことが明らかになった。このことは,大学生の子どもを対象とした指導場面が想定しにくいことや,子どもの理解状況などの実態が理解できていないことから来ていると考えられる。
②については,指導案に書かれたICT機器の活用方法の多くは,提示,比較であった。学生は,基本的な機器の機能や活用事例を理解していれば,別の場面に適用することは十分可能であるということが明らかになった。
③については,機器の扱い方自体や授業づくりに時間がかかることが明らかになり,「機器の使用方法」と「指導案づくりを通したICT機器を活用した授業の構想」の2つの観点に時間を割く必要がある。そこで,以下の表のように,カリキュラムを開発した。
引用文献
高垣マユミ・寺本貴啓(2017)「教員養成系大学生のICT機器を用いた指導技術の調査とカリキュラムの開発」, 津田塾大学研究紀要, 特別号Ⅰ, pp.15-33.
新学習指導要領の改訂に伴い,コンピュータやプログラミング教育など,ICT機器のさらなる活用が求められている。「教育の情報化に関する手引」(文部科学省2010)では,「教師のICT活用指導力」と称した,ICT機器を活用し効果的な指導を実施する必要性も述べられており,教師のICT機器の活用能力や,ICT機器を活用した指導法を考えたり,子ども自身がICT機器を活用した授業が求められたりすることになった。教員養成系大学において,この課題に対する対応は喫緊であり,教員養成段階から対応が求められるといえ,育成のためのカリキュラムの検討が必要と言える。
このような背景より,本研究では,教員養成課程における大学生が,ICT機器を活用した指導法についてどの程度理解するか,その実態を把握した上で,大学生が教師のICT機器を活用した指導法を習得するための半期のカリキュラムを開発することを目的とした。
方 法
調査時期・対象:
平成28年度後期「ICT授業構成論」(15時間::28年度新規開講授業),K大学の小学校教員を志望し,受講希望した大学3年生6名(うち1名は途中辞退)を対象とした。
調査方法:
具体的には,①ICT機器を活用して指導する際の機能を整理し大学生がどの程度の機能とその機能の活用を理解できるかを確認する。②大学生が小学生を対象としたICT機器を活用した指導案をどの程度作成可能かを検討する。③教員養成課程における教師のICT機器を活用した指導法の習得のための半期のカリキュラムを開発する。
結果・考察
①については,大学生の理解は,ICT機器を活用して授業を行う際の教育的目的と絡めた活用や,ICT機器ならではの活用が十分理解で来ていないことが明らかになった。このことは,大学生の子どもを対象とした指導場面が想定しにくいことや,子どもの理解状況などの実態が理解できていないことから来ていると考えられる。
②については,指導案に書かれたICT機器の活用方法の多くは,提示,比較であった。学生は,基本的な機器の機能や活用事例を理解していれば,別の場面に適用することは十分可能であるということが明らかになった。
③については,機器の扱い方自体や授業づくりに時間がかかることが明らかになり,「機器の使用方法」と「指導案づくりを通したICT機器を活用した授業の構想」の2つの観点に時間を割く必要がある。そこで,以下の表のように,カリキュラムを開発した。
引用文献
高垣マユミ・寺本貴啓(2017)「教員養成系大学生のICT機器を用いた指導技術の調査とカリキュラムの開発」, 津田塾大学研究紀要, 特別号Ⅰ, pp.15-33.