[PF08] 思春期の問題行動に対する青年期のとらえ直し(4)
思春期における悪との接触体験
キーワード:思春期, 悪, とらえ直し
思春期はさまざまな悪と接触する時期であり,自己・仲間・大人(親,教師),社会に対する見方と関わりが負の方向に変容するが,青年期にとらえ直しが生じる。本研究では思春期にどのような悪と接触したと大学生が記述したかを整理した。
方 法
調査対象:X大学の心理学系講義の受講生(1~3年次開講科目各1,計3科目),男子114名,女子87名,計201名。説明の上、同意を得て実施。
調査項目:1)中学生のときに接した「悪」の体験,2)そのときに感じたこと・考えたこと・行ったこと,3)その後(高校生)の変化,4)今からの振り返り,5)その他について記述を求めた。本研究では1)と2)について分析を行った。
結果と考察
1)の記述を集団・対人関係,非行行為,学校体験,その他に分類したTable 1より,思春期の「悪」にはいじめ(仲間はずれ,無視,いじりを含む)が65と最も多く,次いで非行行為(非行全般16,盗み・万引き26,喫煙20,暴力20)が多かった。
2)の記述を「悪をした」(49),「悪をされた」
(75),「悪を見た」(100)別に分類した。
「した」(Table 2)ときの体験は,楽しい,スリル・興奮,かっこいいなどプラスに評価されたもの,罪悪感,申し訳ない,後悔などマイナスの体験とされたもの,悪の意識がない,みんなと同じなど±いずれでもない非マイナスに分類された。
「された」(Table 3)ときは,つらい・絶望,悩む,諦め,悔しい,怒り,不信など大きな負の体験とされた。また,解決,相談・支援などの取り組みに加え,離れる,合わせる,仕方なくするなどの妥協,あたる・暴言,教師を批判などの置換などにより対応がなされていた。「された」側が自己嫌悪や自責の念を抱くこともあった。
「見た」(Table 4)ときには,バカらしい,悪い,やめればいいと否定される場合もかっこいい,一緒にすると肯定される場合が見られた。また,関わらない,自分はしない,理由を考える,注意・説得などの対応が多く取られていた。その一方で,何もしない,諦める,関係がないなどの対処も多く見られた。思春期に接する悪の種類,体験(受けとめ方,意味づけ)と対応の多様性とともに,マイナスの影響の大きさの可能性が示された。
方 法
調査対象:X大学の心理学系講義の受講生(1~3年次開講科目各1,計3科目),男子114名,女子87名,計201名。説明の上、同意を得て実施。
調査項目:1)中学生のときに接した「悪」の体験,2)そのときに感じたこと・考えたこと・行ったこと,3)その後(高校生)の変化,4)今からの振り返り,5)その他について記述を求めた。本研究では1)と2)について分析を行った。
結果と考察
1)の記述を集団・対人関係,非行行為,学校体験,その他に分類したTable 1より,思春期の「悪」にはいじめ(仲間はずれ,無視,いじりを含む)が65と最も多く,次いで非行行為(非行全般16,盗み・万引き26,喫煙20,暴力20)が多かった。
2)の記述を「悪をした」(49),「悪をされた」
(75),「悪を見た」(100)別に分類した。
「した」(Table 2)ときの体験は,楽しい,スリル・興奮,かっこいいなどプラスに評価されたもの,罪悪感,申し訳ない,後悔などマイナスの体験とされたもの,悪の意識がない,みんなと同じなど±いずれでもない非マイナスに分類された。
「された」(Table 3)ときは,つらい・絶望,悩む,諦め,悔しい,怒り,不信など大きな負の体験とされた。また,解決,相談・支援などの取り組みに加え,離れる,合わせる,仕方なくするなどの妥協,あたる・暴言,教師を批判などの置換などにより対応がなされていた。「された」側が自己嫌悪や自責の念を抱くこともあった。
「見た」(Table 4)ときには,バカらしい,悪い,やめればいいと否定される場合もかっこいい,一緒にすると肯定される場合が見られた。また,関わらない,自分はしない,理由を考える,注意・説得などの対応が多く取られていた。その一方で,何もしない,諦める,関係がないなどの対処も多く見られた。思春期に接する悪の種類,体験(受けとめ方,意味づけ)と対応の多様性とともに,マイナスの影響の大きさの可能性が示された。