日本教育心理学会第62回総会

講演情報

ポスター発表(社会)

[P] ポスター発表(社会): P189-P226

2020年9月19日~21日

[P219] 教師の自律的な学習姿勢を規定するビリーフの影響

三沢 良1, 鍋田 瑞希2, 森安 史彦3 (1.岡山大学, 2.伊予市立伊予小学校, 3.岡山大学教育学部附属中学校)

キーワード:教師、学習姿勢、ビリーフ

学校を取り巻く社会の変化や教育課題の多様化に対応するため,教師には専門職として自律的に学ぶ姿勢を備えることが,より一層重要となっている。本研究では,現職の小学校教員を対象に質問紙調査を行い,教師の自律的な学習姿勢を説明する個人差変数として,教師特有のビリーフに着目し,その影響について実証的に検討した。学習姿勢については,三沢ら(2019)の尺度項目に基づき,「同僚の経験の取り入れ」「児童・保護者の視点の考慮」「前向きな挑戦姿勢」「自己省察」の4側面を測定した。ビリーフについては,河村ら(2004)を参考に作成した項目に因子分析を行い,「学校教育の理想の姿」「慣例・マニュアル主義」「教師の権威と努力信仰」の3因子を抽出した。重回帰分析の結果から,教師特有のビリーフは,教師の自律的な学習姿勢に対して促進的にも抑制的にも働く,正負両面の効果をもつ要因であることが示唆された。