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[T5-O-5] 長野県中部に分布する守屋層火山岩類(中新統)のジルコンU–Pb年代とその層序学的意義
キーワード:中新世、守屋層、長野県、北部フォッサマグナ、設楽火山岩類、内村層、U–Pb年代、ジルコン
長野県中部の諏訪湖南方に分布する守屋層は、北部フォッサマグナ南縁部の中新世古環境や伊豆弧衝突に関連した地殻運動を記録していると推定される。しかし、その上部を構成する変質火山岩類の年代はこれまでよくわかっていなかった。今回、守屋層最上部の唐沢川酸性火山岩部層から最若ジルコン粒子集団の加重平均U–Pb年代として15.5 ± 0.2 Maを得た。この結果より、本部層の火山岩類の形成は15.5 Ma頃だったと考えられる。守屋山地域の火山活動はN8帯の下限年代である17.0 Ma以降に始まり15.5 Ma頃まで継続したと考えられ、15.5 Ma以降も火山活動が継続していた可能性はある。守屋層は下部の砕屑岩部分が北部フォッサマグナの内村層に対比されているが、上部の火山岩類も含む守屋層全体が内村層に対比可能と考えられる。この火山岩類の活動は設楽火山岩類の主要活動(約15–13 Ma)に先立って起こったが、設楽火山岩類の一部で安山岩~玄武岩を主体とする津具火山岩類の活動とは同時期だった可能性がある。