[O1-3] 舌筋にみられる加齢に伴う内部性状変化:せん断波エラストグラフィによる検討
【目的】
せん断波エラストグラフィにて,オトガイ舌筋・オトガイ舌骨筋の硬度を計測し,筋肉量,筋力,体組成成分と比較することによって,オトガイ舌筋・オトガイ舌骨筋の加齢に伴う内部性状の特性を明らかにすることを目的とした。
【方法】
対象は,2022年4月〜12月に摂食嚥下障害を主訴に当クリニックに来院した高齢者のうち研究協力に承諾した18名(男性 7名,女性 11名,平均年齢は84.8±6.2歳)である。FIMが29点以下,上下顎に腫瘍や炎症があるもの,放射線治療の既往のあるもの,神経筋疾患症例は除外した。健常成人35名(男性 16名,女性 20名,平均年齢36.1±8.9歳)を対照群とした。 超音波診断装置 LOGIQ® P9を用いて,オトガイ舌筋中央,オトガイ舌筋後方,オトガイ舌骨筋,大腿直筋の硬度測定を行った。舌断面積,舌厚,オトガイ舌骨筋断面積,オトガイ舌骨筋厚,咬筋厚,大腿直筋厚,舌圧,握力,体格指数,骨格筋指数の計測を行った。統計解析は,IBM SPSS® statistics v. 28にて,t検定およびMann–Whitney U検定を用い, 2群間の比較を行った。
【結果】
高齢者は,健常成人と比較すると,オトガイ舌筋後方の硬さ,オトガイ舌骨筋厚,咬筋厚,大腿直筋厚,握力,舌圧,咀嚼機能,SMIが有意に低値を示した。一方、オトガイ舌骨筋の硬度,大腿直筋の硬度,体脂肪率,内臓脂肪面積は有意に高値を示した。舌断面積や舌厚に有意差はみられなかった。
【まとめ】
オトガイ舌骨筋は,高齢者において硬度は増加し,筋萎縮によるものと考えられた。一方,高齢となっても,舌の断面積は減少せず,オトガイ舌筋後方の硬度は減少し,体脂肪の影響による可能性が示唆された。 (COI開示:なし) (日本歯科大学大学 倫理審査委員会承認番号 NDU-T2021-10)
せん断波エラストグラフィにて,オトガイ舌筋・オトガイ舌骨筋の硬度を計測し,筋肉量,筋力,体組成成分と比較することによって,オトガイ舌筋・オトガイ舌骨筋の加齢に伴う内部性状の特性を明らかにすることを目的とした。
【方法】
対象は,2022年4月〜12月に摂食嚥下障害を主訴に当クリニックに来院した高齢者のうち研究協力に承諾した18名(男性 7名,女性 11名,平均年齢は84.8±6.2歳)である。FIMが29点以下,上下顎に腫瘍や炎症があるもの,放射線治療の既往のあるもの,神経筋疾患症例は除外した。健常成人35名(男性 16名,女性 20名,平均年齢36.1±8.9歳)を対照群とした。 超音波診断装置 LOGIQ® P9を用いて,オトガイ舌筋中央,オトガイ舌筋後方,オトガイ舌骨筋,大腿直筋の硬度測定を行った。舌断面積,舌厚,オトガイ舌骨筋断面積,オトガイ舌骨筋厚,咬筋厚,大腿直筋厚,舌圧,握力,体格指数,骨格筋指数の計測を行った。統計解析は,IBM SPSS® statistics v. 28にて,t検定およびMann–Whitney U検定を用い, 2群間の比較を行った。
【結果】
高齢者は,健常成人と比較すると,オトガイ舌筋後方の硬さ,オトガイ舌骨筋厚,咬筋厚,大腿直筋厚,握力,舌圧,咀嚼機能,SMIが有意に低値を示した。一方、オトガイ舌骨筋の硬度,大腿直筋の硬度,体脂肪率,内臓脂肪面積は有意に高値を示した。舌断面積や舌厚に有意差はみられなかった。
【まとめ】
オトガイ舌骨筋は,高齢者において硬度は増加し,筋萎縮によるものと考えられた。一方,高齢となっても,舌の断面積は減少せず,オトガイ舌筋後方の硬度は減少し,体脂肪の影響による可能性が示唆された。 (COI開示:なし) (日本歯科大学大学 倫理審査委員会承認番号 NDU-T2021-10)