The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター発表)

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ポスター発表6
一般

Sat. Jun 17, 2023 3:45 PM - 4:10 PM ポスター会場 (1階 G3)

座長:小松 知子(神奈川歯科大学全身管理歯科学講座障害者歯科学分野)

[P31] 当院における摂食嚥下支援チーム(SST)設立後のFOIS変化

○大塚 あつ子1、淺野 一信2、多田 瑛3、中尾 幸恵1、水谷 早貴4、丹菊 里衣子1、登谷 俊朗1、木村 菜摘5、谷口 裕重1 (1. 朝日大学歯学部 摂食嚥下リハビリテーション学分野、2. 朝日大学病院 栄養管理部、3. 朝日大学歯学部 口腔外科学分野、4. 朝日大学歯学部 障害者歯科学分野、5. 朝日大学病院 歯科衛生部)

【目的】
当院は21の診療科,病床数381床の地域中核病院である。2020年3月より摂食嚥下障害患者の検査・診断・リハビリテーションを中心とした臨床的介入を開始した。同年8月には歯科医師を中心とした多職種で構成される「摂食嚥下支援チーム(SST)」を設立し,包括的な介入を行っている。今回,3年間の患者動向や介入の成果を検証するとともに今後の課題について考察する。
【方法】
当院にて2020年3月から2022年10月までの入院患者と外来受診患者において,当院他科からの嚥下検査依頼や他医院からの紹介患者を対象とした。診療録と当科データベースより新患総数,介入数,紹介元,VE・VF検査数,入院時と退院時のFOISの調査を行った。
【結果と考察】
新患総数・延べ介入数は1年目から3年目(10月末集計)でそれぞれ144人・1780人, 167人・2085人, 121人・1653人であった。原因疾患の内訳は,1年目と2年目は共に呼吸器疾患が最も多く,次いで脳血管疾患,頭頸部腫瘍であり,3年目は脳血管疾患,呼吸器疾患,循環器疾患の順であった。VE・VFの検査数は1年目から3年目でそれぞれ74回・152回,117回・127回,136回・126回で,増加していた。 介入開始時と比較して介入終了時のFOISは,臨床開始当初は変化なしもしくは低下していたが,SST設立とともに増加(改善)していた。また,FOISの維持・改善が認められた患者のうち,栄養摂取量が把握できた225人において,介入前と比べ介入後では摂取エネルギー量と摂取タンパク質量が有意に上昇していた。 本調査によって3年間でSSTが認知されるとともに,新患数や介入数,検査数が増加していることが明らかとなった。しかし,急性期病院での摂食嚥下障害患者は入院患者全体の2割~3割と報告されているため,1割程度に留まっている当院は潜在的な摂食嚥下障害患者がいると推察される。今後は嚥下患者をピックアップする評価法を均てん化する,退院後の地域連携を強化する等を課題としている。さらに,FOISの改善により摂取栄養量が増加することが示唆された。SST介入により嚥下機能改善とともに栄養状態改善にも寄与できるため,今後はNSTと連携し,摂食嚥下障害患者に対して栄養・全身・摂食嚥下機能の多方面からアプローチする予定である。
(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)