一般社団法人日本老年歯科医学会 第34回学術大会

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一般演題(ポスター発表)

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ポスター発表6
一般

2023年6月17日(土) 15:45 〜 16:10 ポスター会場 (1階 G3)

座長:小松 知子(神奈川歯科大学全身管理歯科学講座障害者歯科学分野)

[P32] 島根県後期高齢者歯科口腔健康診査における通院手段から推定した移動の自立度と口腔機能の関係

○清水 潤1、富永 一道1、齋藤 寿章1、前田 憲邦1、西  一也1、井上 幸夫1 (1. 一般社団法人島根県歯科医師会)

【目的】
後期高齢者の移動の自立度と口腔機能との関連を調べる目的で本研究を行った。
【方法】
R2年度後期高齢者歯科口腔健康診査(LEDO健診)と後期高齢者健康診査(MED健診)の両健診を受診した者の匿名化連結データを分析対象とした。通院手段を移動の自立度という視点で3群(移動自立度1;タクシー・知人・家族の送迎,2;バス・電車・徒歩,3;自転車・自動車を運転)に分類した。口腔機能は咀嚼3指標{現在歯数とその5群分類,グミ15秒値(ファイン組®︎15秒間努力咀嚼後の分割数)とその5群分類(グミ15秒値昇順0~10%;LLc,10〜30%;MLc,30〜50%;HLc,50〜70%;Nc,70〜100%;Hc)および主観的咀嚼能力}とRSST変法(3回連続嚥下積算時間)を用いた。最初にスピアマンの順位相関係数の有意性(p<0.1)を指標として自立度3群に対して有意な相関関係にある健診項目を探索した。次に移動自立度1該当を目的変数とした変数選択ロジスティック回帰分析を行い目的変数と有意な関係にある変数モデルを求めた。
【結果と考察】
分析対象2494名,男/女;45.35%/54.65%,75〜79歳/80〜85歳;55.77%/44.23%だった。移動の自立度1;475(19.05%),2;431(17.28%),3;1588(63.67%)だった。最初の探索で有意と判定された項目はLEDO健診29,MED健診10項目だった。変数選択ロジスティック回帰分析で得られた有意な変数モデルは,女;オッズ比5.96(ref;男),80歳代;1.34(70歳代),握力;0.96(連続量),グミ15秒値LLc;2.15,MLc;1.82,HLc;1.43(Hc),RSST変法;1.01(連続量),脳卒中加療;4.78(なし),6種以上服薬;1.57(5種以下),3人以上で食卓;1.46(2人以下),食事の支度しない;2.11(する),肉魚摂取頻度毎日;2.12,1回/2日;2.03(1回/週),運動習慣ある;0.71(ない),物忘れあり;1.37(なし),日付記憶混乱あり;1.34(ない),週1回以上外出あり;0.46(ない)となっていた。移動の自立度が低下している群の咀嚼能力は低い者が有意に多く,3回連続嚥下積算時間は延長していた。(COI開示なし)(島根県歯科医師会倫理委員会承認17号)