[P37] 静電容量型感圧センサーシートを用いた咬合力測定の信頼性および成人の基準値の検討~予備的検討~
【目的】
咬合力を評価するために種々の手法が検討されている。2018年に,口腔機能低下症が新たな医療保険病名として保険収載され,口腔機能評価が注目さるようになった。従来口腔機能低下症の精密検査として採用されている咬合力評価システムに加え,咬合力を簡便かつ即時に測定可能な静電容量型感圧センサーシートを用いた口腔機能モニターOramo-bf(住友理工,愛知,医療機器登録番号23B2X10022000004,以下,Oramo)が開発され,精密検査機器として採用された。口腔機能低下症の適当年齢は65歳以上から50歳以上に適応が広がったものの、Oramoを用いた成人(65歳未満)の基準値さらには測定結果の信頼性については十分検討されていない。本報告では, Oramoを用いた咬合力測定における検者内および検者間信頼性,ならびに健常成人の基準値の検討を行うことを目的に予備的検討を行った。
【方法】
対象者は個性正常咬合を有する成人8名(男性3名,女性5名,平均年齢28.8±3.1歳,平均現在歯数27.3±1.6歯)とした。対象者にOramoを用いて3秒以上の最大噛みしめを指示し,最も高い値を咬合力の測定値とした。測定は対象者1名に対して検査者3名が各3回測定し,各検者の測定時には30秒,検者間で1分のインターバルを設けた。
Oramoでの咬合力測定値について,3回測定した平均値・標準偏差から変動係数(CV)を算出した。Oramoについては検者内および検者間での再現性を検討するため,二元配置分散分析を行った(有意水準5%)。
【結果と考察】
各検査者の測定結果(平均±標準偏差(CV))は698.5±29.6N (0.04),692.6±28.0N (0.04)および688.9±30.8N (0.04)であった。二元配置分散分析において,検者内・検者間の交互作用は認めなかった(p=0.545)。
以上のことから,Oramoを用いた咬合力測定は繰り返し測定しても測定時の変動は限定され,検者内および検者間の測定値が安定する傾向を示した。今後測定者数を増やし,さらなる検討を行う予定である。
(日本大学松戸歯学部倫理審査委員会承認 EC22-019)
(COI開示:なし)
咬合力を評価するために種々の手法が検討されている。2018年に,口腔機能低下症が新たな医療保険病名として保険収載され,口腔機能評価が注目さるようになった。従来口腔機能低下症の精密検査として採用されている咬合力評価システムに加え,咬合力を簡便かつ即時に測定可能な静電容量型感圧センサーシートを用いた口腔機能モニターOramo-bf(住友理工,愛知,医療機器登録番号23B2X10022000004,以下,Oramo)が開発され,精密検査機器として採用された。口腔機能低下症の適当年齢は65歳以上から50歳以上に適応が広がったものの、Oramoを用いた成人(65歳未満)の基準値さらには測定結果の信頼性については十分検討されていない。本報告では, Oramoを用いた咬合力測定における検者内および検者間信頼性,ならびに健常成人の基準値の検討を行うことを目的に予備的検討を行った。
【方法】
対象者は個性正常咬合を有する成人8名(男性3名,女性5名,平均年齢28.8±3.1歳,平均現在歯数27.3±1.6歯)とした。対象者にOramoを用いて3秒以上の最大噛みしめを指示し,最も高い値を咬合力の測定値とした。測定は対象者1名に対して検査者3名が各3回測定し,各検者の測定時には30秒,検者間で1分のインターバルを設けた。
Oramoでの咬合力測定値について,3回測定した平均値・標準偏差から変動係数(CV)を算出した。Oramoについては検者内および検者間での再現性を検討するため,二元配置分散分析を行った(有意水準5%)。
【結果と考察】
各検査者の測定結果(平均±標準偏差(CV))は698.5±29.6N (0.04),692.6±28.0N (0.04)および688.9±30.8N (0.04)であった。二元配置分散分析において,検者内・検者間の交互作用は認めなかった(p=0.545)。
以上のことから,Oramoを用いた咬合力測定は繰り返し測定しても測定時の変動は限定され,検者内および検者間の測定値が安定する傾向を示した。今後測定者数を増やし,さらなる検討を行う予定である。
(日本大学松戸歯学部倫理審査委員会承認 EC22-019)
(COI開示:なし)