一般社団法人日本老年歯科医学会 第34回学術大会

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一般演題(ポスター発表)

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ポスター発表12
連携医療・地域医療

2023年6月18日(日) 10:25 〜 10:55 ポスター会場 (1階 G3)

座長:渡部 芳彦(東北福祉大学健康科学部)

[P63] 多職種間で口腔と全身の情報を把握するためのクラウド共有システムの試作

○西 恭宏1、西村 正宏1 (1. 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科口腔顎顔面補綴学分野)

【目的】  
 客観的ならびに主観的評価によるオーラルフレイルの該当者は,健常者に比べ身体的フレイル,サルコペニア発生はそれぞれ2.41倍,2.13倍高く,サルコペニアやフレイルの地域高齢者は口腔機能低下症の診断率が高いことも報告されている。地域において口腔機能低下症の予防としての口腔機能管理とサルコペニアやフレイルの評価情報が,一元的に把握できれば地域における多職種連携による健康管理に有効な情報になると思われる。現在,経済産業省はクラウドを利用した医療情報の共有を推進しており,厚生労働省はこの1月からクラウドで電子処方せんを利用できるようにして情報共有を図ってきている。今回,口腔機能評価とサルコペニア,フレイル評価を歯科医院で実施していることを前提にして,クラウドを利用して評価を経時的に表示して多職種で情報共有できるシステムを試作したので報告する。
【方法】  
 2020年2月から鹿児島大学病院義歯インプラント科では,来院患者において口腔機能低下症の診断検査と同時に体組成計によるサルコペニア診断とフレイル診断を行っており,口腔機能管理に付随した6ヵ月毎の経時的な評価が可能となっている。したがって,これらの評価を歯科医院で行い,データを経時的に一元的に表示できれば情報共有に有効であると考え,各検査時のデータ入力からそれらのデータを経時的にグラフ表示できるシステムを考えた。今回, Googleドライブを利用して,ダミーデータのGoogleフォームへの入力からスプレッドシートを介してデータポータルにてグラフ表示するシステムを構築した。
【結果と考察】
 試作したシステムは,Googleドライブにデータが保管され,ブラウザにて評価等が表示されるシステムとなった。今後は既存のアプリケーションを利用したシステムではなく,データ入力がしやすく把握しやすいシステムが開発されることに加え,口腔機能低下症の計測項目が現状より絞られて全身評価項目が示されるようになることが,情報共有を容易にするためには必要であると考えられる。
(COI開示:なし)
(倫理審査対象外)