[SY3-2] 都市部における地域包括ケアでの高齢者口腔保健活動を円滑に実施するためのミニマムリクワイアメント
【略歴】
高田 靖 昭和40年1月29日生
【経歴】
平成2年3月 東京医科歯科大学歯学部卒業
平成2年4月 東京医科歯科大学第3保存科入局
平成4年3月 東京医科歯科大学第3保存科退局
平成4年~平成5年3月 濤岡歯科医院勤務
平成5年4月 高田歯科医院開設
社)豊島区歯科医師会入会
平成9年4月~平成11年3月 社)豊島区歯科医師会総務理事
平成15年4月~平成17年3月 社)豊島区歯科医師会会計理事
平成17年4月~平成22年6月 社)豊島区歯科医師会専務理事
平成22年7月~平成24年6月 公社)豊島区歯科医師会専務理事
平成24年6月~平成26年6月 豊島区歯科医師連盟 副理事長
平成26年6月~平成30年6月 公社)豊島区歯科医師会専務理事
平成30年6月~令和4年6月 公社)豊島区歯科医師会副会長
令和 4年6月~ 公社)豊島区歯科医師会・会長
【肩書】
公社)豊島区歯科医師会 会長
公社)東京都歯科医師会 成人保健医療常任委員会 委員長
地域保健医療常任委員会 委員長
豊島区 豊島区保健福祉審議会 委員
介護保険事業推進協議会 委員
介護認定審査会 副会長
豊島区認知症対策検討会 委員
高田 靖 昭和40年1月29日生
【経歴】
平成2年3月 東京医科歯科大学歯学部卒業
平成2年4月 東京医科歯科大学第3保存科入局
平成4年3月 東京医科歯科大学第3保存科退局
平成4年~平成5年3月 濤岡歯科医院勤務
平成5年4月 高田歯科医院開設
社)豊島区歯科医師会入会
平成9年4月~平成11年3月 社)豊島区歯科医師会総務理事
平成15年4月~平成17年3月 社)豊島区歯科医師会会計理事
平成17年4月~平成22年6月 社)豊島区歯科医師会専務理事
平成22年7月~平成24年6月 公社)豊島区歯科医師会専務理事
平成24年6月~平成26年6月 豊島区歯科医師連盟 副理事長
平成26年6月~平成30年6月 公社)豊島区歯科医師会専務理事
平成30年6月~令和4年6月 公社)豊島区歯科医師会副会長
令和 4年6月~ 公社)豊島区歯科医師会・会長
【肩書】
公社)豊島区歯科医師会 会長
公社)東京都歯科医師会 成人保健医療常任委員会 委員長
地域保健医療常任委員会 委員長
豊島区 豊島区保健福祉審議会 委員
介護保険事業推進協議会 委員
介護認定審査会 副会長
豊島区認知症対策検討会 委員
【抄録(Abstract)】
国がイメージする地域包括ケアシステムは高齢者が自宅に居住しながら医療・介護・福祉などのサービスが中学校区の範囲内で提供されることを想定している。これは都市部でしか通用しないイメージであり、過疎地域のような医療・介護・福祉などのリソースが不足している地域や人口が広範囲に点在している地域には当てはまらない。人口減少が著しい日本においては将来、高齢者のような医療・介護が必要な方や交通弱者を生活インフラの整った地域に集約して住んで頂き、そこに必要なサービスを提供するような街づくり、すなわちコンパクトシティ構想が必要となってくると思われる。
東京都豊島区は生活インフラも十分な地域で人口密度は日本一であり、地域包括圏域は8か所と丁度よい規模のコンパクトシティである。各圏域で地域包括支援センターが中心となってICTツールを活用しながら独自に多職種連携ネットワークを構築し、地域の実情に合わせた医療・介護体制を作っている。歯科については訪問歯科医療などの地域歯科保健・医療は口腔保健センターを中心に展開され、そこがハブとなって会員歯科診療所と多職種との連携の橋渡し役を担っており、各圏域の多職種コアメンバーに歯科医師会会員とともに口腔保健センター歯科衛生士も加わっている。
歯科がこの地域包括ケアシステムの中で高齢者口腔保健活動を円滑に実施するためには医療職だけでなく介護職との連携、協働が出来ることが先ず求められ、歯科的問題に気づき、繋げてもらうための他職種向けの研修会や講演会を行うことが不可欠である。歯科治療を行う際には患者、患者家族の意思決定支援、患者の病態変化に合わせた予測性を持った対応、生活環境、経済的負担等を踏まえたベターな対応が求められる。 また、地域包括ケアシステムは地域づくりでもある。そのため、歯科医療従事者であっても歯科以外の地域の課題に関心を持ち、フォーマルサービスだけでなくインフォーマルサービスも提示出来るような医療・介護サービスの知識を持つことが大切である。そして行政の計画立案に参画し、実施計画に歯科事業を盛り込むことも重要だが、有識者として歯科以外の事業についても的確な意見を述べることが求められる。
地域包括ケアシステムに歯科が関わるためには歯科医師会という職能団体の役割は不可欠である。歯科医師会に「口腔保健支援センター」のような拠点を設置して窓口を一元化し地域のハブとしての機能を持たせる、一部歯科医院の利益誘導に繋がらないように歯科医師会が中心となって地域のニーズに対応できる体制づくりが必要である。また、歯科医師の代わりに介護職との連携づくりを担ってくれる歯科衛生士の確保、育成をすることも求められる。今後は医療体制の構築だけでなく、アフターコロナを見据えて高齢者歯科健診とフレイル予防事業とを組み合わせた高齢者のフレイル予防事業を展開していくことも必要となる。
国がイメージする地域包括ケアシステムは高齢者が自宅に居住しながら医療・介護・福祉などのサービスが中学校区の範囲内で提供されることを想定している。これは都市部でしか通用しないイメージであり、過疎地域のような医療・介護・福祉などのリソースが不足している地域や人口が広範囲に点在している地域には当てはまらない。人口減少が著しい日本においては将来、高齢者のような医療・介護が必要な方や交通弱者を生活インフラの整った地域に集約して住んで頂き、そこに必要なサービスを提供するような街づくり、すなわちコンパクトシティ構想が必要となってくると思われる。
東京都豊島区は生活インフラも十分な地域で人口密度は日本一であり、地域包括圏域は8か所と丁度よい規模のコンパクトシティである。各圏域で地域包括支援センターが中心となってICTツールを活用しながら独自に多職種連携ネットワークを構築し、地域の実情に合わせた医療・介護体制を作っている。歯科については訪問歯科医療などの地域歯科保健・医療は口腔保健センターを中心に展開され、そこがハブとなって会員歯科診療所と多職種との連携の橋渡し役を担っており、各圏域の多職種コアメンバーに歯科医師会会員とともに口腔保健センター歯科衛生士も加わっている。
歯科がこの地域包括ケアシステムの中で高齢者口腔保健活動を円滑に実施するためには医療職だけでなく介護職との連携、協働が出来ることが先ず求められ、歯科的問題に気づき、繋げてもらうための他職種向けの研修会や講演会を行うことが不可欠である。歯科治療を行う際には患者、患者家族の意思決定支援、患者の病態変化に合わせた予測性を持った対応、生活環境、経済的負担等を踏まえたベターな対応が求められる。 また、地域包括ケアシステムは地域づくりでもある。そのため、歯科医療従事者であっても歯科以外の地域の課題に関心を持ち、フォーマルサービスだけでなくインフォーマルサービスも提示出来るような医療・介護サービスの知識を持つことが大切である。そして行政の計画立案に参画し、実施計画に歯科事業を盛り込むことも重要だが、有識者として歯科以外の事業についても的確な意見を述べることが求められる。
地域包括ケアシステムに歯科が関わるためには歯科医師会という職能団体の役割は不可欠である。歯科医師会に「口腔保健支援センター」のような拠点を設置して窓口を一元化し地域のハブとしての機能を持たせる、一部歯科医院の利益誘導に繋がらないように歯科医師会が中心となって地域のニーズに対応できる体制づくりが必要である。また、歯科医師の代わりに介護職との連携づくりを担ってくれる歯科衛生士の確保、育成をすることも求められる。今後は医療体制の構築だけでなく、アフターコロナを見据えて高齢者歯科健診とフレイル予防事業とを組み合わせた高齢者のフレイル予防事業を展開していくことも必要となる。