特別講演・受賞講演(電解科学技術)
特別講演、受賞講演
2021年12 月9 日(木)13:45-14:30
工業電解奨励賞受賞
「トルエン直接電解水素化および水電解における電解槽技術開発」
横浜国立大学 長 澤 兼 作 氏
再生可能エネルギー由来の電力を用いた電解生成により得られるグリーン水素はCO2ゼロエミッションシステムの水素製造形態として、各国で導入に向けた取り組みが精力的に行われているが、再エネ電力の利用は本質的に時間的変動性、空間的偏在性の課題を有する。これらの解決策として、エネルギーキャリア合成技術であるトルエン直接電解水素化における電解槽の性能向上開発、および再エネを利用したグリーン水素生成に必要不可欠である水電解技術開発のための基盤整備を目指した要素評価用小型標準電解槽の開発およびそれに付随した要素評価技術開発について紹介する。
2021年12 月9 日(木)14:30-15:30
工業電解業績賞受賞
「有機ハイドライド電解合成技術”Direct MCH®”の開発」
ENEOS株式会社 佐 藤 康 司 氏
カーボンニュートラルに向けたCO2削減とグリーン水素需要の高まりの中、トルエンの直接電解水素化は,Direct MCH®の名のもとに商用化に向けた本格的な開発と、再エネ拠点である豪州での実証に漕ぎ出した。本技術によってMCHは水素キャリアとして、CO2フリー水素サプライチェーンのコスト優位性が増し、海外からの大量水素輸入等の事業スキーム実現に一歩近づいたと言える。ここでは、Direct MCH®プロセスの開発状況、豪州-日本間の水素輸送実証、及び今後の展開について紹介する。
2021年12 月9 日(木)15:40-16:40
特別講演
「湿式プロセスを利用した粒子径制御・複合化・集積化事例の紹介」
同志社大学 白 川 善 幸 氏
リチウムイオン電池、燃料電池、水素量産に向けた水の電気分解用の電極材料として、また全固体電池用の固体電解質の材料として、遷移金属酸化物や硫化物、炭素系の複合粒子材料ならびに合金系の粒子材料などが提案され、実用されている。本講演では、粉体・粒子材料の作製方法、即ち粒子径制御、形状制御、複合化など、デバイスの構造単位となる粒子特性の制御を目的としたいくつかの製造事例と共に、デバイスの機能化について紹介する。
2021年12 月9 日(木)16:45-17:45
特別講演
「標準化と市場形成」
経済産業省 井 上 悠 太 氏
標準化とは、一定のメンバーの合意を得て、規格を制定し、当該規格を普及する行為を指し、それにより同一規格の財・サービスを普及させることで相乗効果を生み出し、市場拡大等の長所がある一方、他社の参入が容易になり競争性が高まるなどの短所の面もあるため、何をどのように標準化するのかについて戦略を検討する必要がある。本講演では、標準化が新たな市場形成に有用であることを示唆するパターンを6つに分類し、標準化を用いた市場形成力を可視化するツールとして経済産業省で開発した「市場形成力指標」について紹介する。