一般社団法人日本鉱物科学会2022年年会・総会

講演情報

口頭講演

R1:鉱物記載・分析評価(宝石学会(日本) との共通 セッション)

2022年9月18日(日) 09:00 〜 12:15 B251 (総合教育研究棟 B棟2F)

座長: 黒澤 正紀(筑波大学)、坂野 靖行(産総研)、門馬 綱一(国立科学博物館)

12:00 〜 12:15

[R1-12] 福岡県飯塚市八木山産 Ti-Mn未知鉱物

*上原 誠一郎1、一色 優希2、武田 侑也2、延寿 里美3 (1. 九大・博物館、2. 九大・院理、3. 愛媛大・理工)

キーワード:Ti-Mn 未知鉱物、福岡県飯塚市八木山、Al-蛇紋石、アメサイト、ロジン岩

福岡県飯塚市八木山に分布する蛇紋岩体中の低温変質を受けたロジン岩中に Ti-Mn未知鉱物を見出した。ロジン岩を切る細いAlを含まない蛇紋石脈周辺のAl-蛇紋石・アメサイト中に赤色から赤褐色の粒状粒子(径0.5-0.1mm)があり,1×10 µm程度の微細なTi-Mn未知鉱物を含む。一部にパイロファン石,TiO2鉱物を伴う。  X線回折パターンは六方晶系のCdTi2O4 (OH)2 (Kumada et al.,2005)と類似し(Fig. 1),それと同一の指数を与え計算した格子定数はa = 5.181,c = 4.562 Åである。 化学分析値はMnO(2価として) 25.8,MgO 6.5,FeO 6.6,SiO2 0.6,Al2O3 0.5,CaO 0.3,TiO2 48.8,H2O(計算値) 6.8計95.7 wt% (n = 10)で,実験式は(Mn0.97, Mg0.43, Fe0.24, Si0.03, Al0.03, Ca0.01)Σ1.33Ti1.63O4(OH)2であり,Mnの一部は4価でTiのサイトに入ると思われる。 STEM像観察からは結晶構造を推定することができ(Fig. 2), CdTi2O4(OH)2 のMn置換体と思われる。