一般社団法人日本鉱物科学会2022年年会・総会

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R4:地球表層・環境・生命

2022年9月19日(月) 09:00 〜 15:30 B256 (総合教育研究棟 B棟2F)

09:00 〜 15:30

[R4P-01] ゲル内でのCaCO₃形成過程におけるpH変化の観察

*松本 信二1、川野 潤1、豊福 高志2,3、長井 裕季子2,4、永井 隆哉1 (1. 北大院・理、2. JAMSTEC、3. 海洋大、4. 科博)

キーワード:炭酸カルシウム、可視化、pH、二重拡散法

近年、生態環境を模したCaCO₃合成の手法として、陽イオンと陰イオンをゲルの両側から拡散させ、結晶を形成させるゲル内二重拡散法が注目されている。しかし、ゲル内でのイオンの挙動を直接的に知ることはできないため、そこで形成する多形や形態についての結晶形成メカニズムをpHやイオン濃度と比較して定量的に議論することは困難であった。そこで本研究では、ゲル内二重拡散法により、CaCl2・2H₂O及びNaHCO₃溶液をゲルの両側から拡散させることでCaCO₃の合成実験を行い、蛍光プローブHPTSを用いて形成環境のpH分布の時間変化を顕微鏡下で二次元可視化した。実験の結果、異なる形態の結晶が形成された場所では、結晶化時のpHやpH勾配も異なっている傾向があり、このことが形成メカニズムに影響を与えている可能性が示唆された。