R7：岩石・鉱物・鉱床 (資源地質学会 との共催 セッション)

[R7P-02] 佐賀県呼子加部島のアルカリ玄武岩中の晶洞鉱物

「発表賞エントリー」

*木尾 颯月¹、江島 輝美¹ (1. 信州大・理・地球)

キーワード：晶洞鉱物、玄武岩、加部島、コバルト

佐賀県呼子加部島の無斑晶質玄武岩中の晶洞において淡青色や濃青色を呈する晶洞鉱物が産出したため記載を行った｡ 加部島の無斑晶質玄武岩中の晶洞は、全体が肉眼で淡青色を呈するように見える｡晶洞中には数 μm程度の白色から淡青色を呈する半球状の鉱物が密集しており、その他にFe–Ti酸化物、カルサイトの結晶、Mn酸化物が存在する｡また、小さな晶洞の中には濃青色鉱物が存在することがある。白色から淡青色を呈する晶洞鉱物は微細な海綿状組織を持ち、主にMg、Al、Siを主成分とする鉱物である。また、濃青色鉱物は多孔質な組織を持ちMnを主成分とし、数％程度のCo、Fe、Mg、Al、Si、KおよびNiを含む。 以上の結果から、淡青色を呈する晶洞鉱物は、沸石族鉱物もしくは粘土鉱物であり、濃青色鉱物はリシオフォル鉱の一種であるCoを含む二酸化マンガン鉱物に類似した鉱物であると考えられる。