一般社団法人日本鉱物科学会2022年年会・総会

講演情報

ポスター

R7:岩石・鉱物・鉱床 (資源地質学会 との共催 セッション)

2022年9月17日(土) 09:30 〜 17:30 B256 (総合教育研究棟 B棟2F)

09:30 〜 17:30

[R7P-07] 肥後変成岩中の低変成度単斜輝岩の岩石学

中島 実奈美1、*石丸 聡子1、田村 明弘2、藤本 智也1、西山 忠男1 (1. 熊本大、2. 金沢大)

キーワード:肥後変成岩、輝岩、集積岩

肥後変成岩中に存在する超苦鉄質岩として,スピニフェックス様の組織を持つ変成カンラン岩(=竹葉石)が報告されている(水田,1978)。竹葉石の形成過程については,Nishiyama et al. (2021) などによりアンチゴライト蛇紋岩が比較的高温高圧(P >1.6 GPa,T <750 ºC)で脱水し形成されたと解釈された(Nishiyama et al., 2021)が,その原岩であるカンラン岩の性質についての議論は,高程度の再結晶化を被っているためこれまで十分になされていなかった。最近の調査により,蛇紋岩化程度および再結晶化の程度が低い輝岩類が発見され,その岩石学的な記載を行った。 輝岩類はウェールライト〜カンラン石単斜輝岩であり,一部直方輝石に富むウェブステライトが観察される。鉱物の主要元素組成,単斜輝石の微量元素組成から,この輝岩はメルト成分に枯渇したマントルの部分溶融メルトからの結晶集積岩と判断された。 発表では微量元素組成などを更に詳細に検討し,形成場の推定を試みる。