一般社団法人日本鉱物科学会2022年年会・総会

講演情報

口頭講演

R8:変成岩とテクトニクス

2022年9月19日(月) 09:00 〜 12:15 B351 (総合教育研究棟 B棟3F)

座長:中村 佳博(産総研)、苗村 康輔(岩手大学)

09:00 〜 09:15

[R8-01] 脆性-塑性遷移領域における断層形成メカニズム

*安東 淳一1、樹神 洸寿1、Das Kaushik1、Sakar Dyuti Prakash1、Ghosh Gautam3、富岡 尚敬2 (1. 広島大、2. JAMSTEC・高知コア研、3. Presidency University)

キーワード:断層、マイロナイト、脆性-塑性遷移領域、層状珪酸塩鉱物、微細組織

脆性-塑性遷移領域における断層形成には、岩石破壊に伴う流体の浸透と岩石のマイロナイト化の促進が必要であるとの報告が近年なされている。本研究はインドの主中央衝上断層を対象に、マイロナイト岩の微細組織観察を基に、脆性-塑性遷移領域における断層形成成過程の解明を進めている。現時点の結果では、脆性-塑性遷移領域において流体が関与することで岩石がウルトラマイロナイト化し、かつ変形のメカニズムが転位クリープから拡散クリープに変化することで岩体の強度が低下し、応力集中が生じたことが重要な現象であることが分かった。そして応力集中により層状珪酸塩鉱物中に破壊の核が発生したことが断層形成につながったと考えている。