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[S2-06] オマーンオフィオライト・ワジディマ蛇紋岩炭酸塩脈中の流体包有物が記録する海洋底と大陸の変成流体
「発表賞エントリー」
キーワード:炭酸塩化、マイクロサーモメトリー、塩濃度、蛇紋石、酸素同位体
オマーンオフィオライトのワジディマ地域の蛇紋岩には炭酸塩脈が発達しており、脈中には水からなる流体包有物が観察される。Noël et al. (2018, Lithos)ではType 1炭酸塩は海洋底で、Type 2とType 3炭酸塩は大陸で熱水変質を受けたと提案している。Type 1炭酸塩中の流体包有物はすべてカルサイトにあり、塩濃度は3wt.% NaCl eq.、均質化温度は230℃であった。一方Type 2炭酸塩中の流体包有物はカルサイトで塩濃度は1wt.% NaCl eq.、均質化温度は210℃、ドロマイトで塩濃度は2wt.% NaCl eq.、均質化温度は200℃であった。Type 3炭酸塩中には流体包有物はなかった。均質化温度の結果はNoël et al. (2018, Lithos)の温度推定の結果より100-200℃高い温度をとった。彼らが報告したカルサイトとドロマイトの酸素同位体比を用いてカルサイトードロマイト同位体温度計を適用すると、本研究の結果と近い温度が得られた。これらの炭酸塩脈は、Noël et al. (2018, Lithos) が提案した温度より高温の熱水から形成されたと提案する。