12:00 PM - 2:00 PM
[R7P-11] Possible deserpentinized origin of orthopyroxene-rich metaperidotite in the Ray-Iz peridotite massif, Polar Ural
Keywords:Orthopyroxene, Deserpentinization, magnetite inclusion, Ray-Iz peridotite massif
北極圏,ウラル地域に露出するライ・イズ岩体は,ボイカー岩体,シムキョウ岩体と共に一連のオフィオライト帯を構成する超苦鉄質岩体である.ライ・イズ岩体は主にレールゾライト〜ハルツバージャイト,ハルツバージャイト〜ダナイトで構成されており,中央部に変成カンラン岩が帯状に存在する(例えば,Shmelev, 2011).また,大規模なクロマイト鉱床(Central Chromite Deposit)を伴うダナイトが存在し(例えば,Shmelev, 2011),クロマイト鉱床からダイヤモンドや高圧を示唆する鉱物の産出が報告されている (Yang et al., 2015).また,スラブ由来流体との反応により形成されたと考えられるコランダムを含む珪長質脈が観察されるなど (Glodny et al., 2003; Ishimaru et al., 2015; Meng et al., 2018),様々な交代作用を被っている.
ライ・イズ岩体中央部の変成カンラン岩帯中に,放射状の直方輝石集合体を含む変成カンラン岩が観察される.この岩石は,CO2に富む流体とカンラン岩の反応によって形成されたサグバンダイト(直方輝石−炭酸塩岩)として記載されていたが (Shmelev et al., 2014),実際に採集した試料を観察すると,炭酸塩鉱物(マグネサイト)のモードは低く(< 5 vol.%),緑泥石や滑石,角閃石などの含水鉱物,蛇紋石を含むハルツバージャイトであった.また,カンラン石などの珪酸塩鉱物中には多量の磁鉄鉱の包有物が観察された.放射状の集合体を形成している直方輝石だけではなく,全ての直方輝石が低いCaO,Al2O3,Cr2O3含有量を示す(いずれも<0.15 wt.%).直方輝石の組織と化学組成は,脱蛇紋岩化作用によって形成された変成カンラン岩の特徴と類似している.本発表では,この変成カンラン岩の形成過程について検討をおこなう.
Glodny et al. (2003) Geochimica et Cosmochimica Acta, 67, 4535-4371.
Glodny et al. (2004) Gological Society of London, Memoirs, 30, 87-105.
Ishimaru et al., (2015) Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 110, 76-81.
Meng et al. (2018) Lithos, 302-314.
Sharma et al. (1995) Earth and Planetary Science Letters, 135, 191-114.
Shmelev (2011) Petrology, 19, 618-640. Shmelev et al. (2014) 12th International Platinum Symposium, Yaketerinburg, Field Trip Guidebook,IGG UB RAS,44p.
Yang et al. (2015) Gondwana Research, 27, 459-485.
ライ・イズ岩体中央部の変成カンラン岩帯中に,放射状の直方輝石集合体を含む変成カンラン岩が観察される.この岩石は,CO2に富む流体とカンラン岩の反応によって形成されたサグバンダイト(直方輝石−炭酸塩岩)として記載されていたが (Shmelev et al., 2014),実際に採集した試料を観察すると,炭酸塩鉱物(マグネサイト)のモードは低く(< 5 vol.%),緑泥石や滑石,角閃石などの含水鉱物,蛇紋石を含むハルツバージャイトであった.また,カンラン石などの珪酸塩鉱物中には多量の磁鉄鉱の包有物が観察された.放射状の集合体を形成している直方輝石だけではなく,全ての直方輝石が低いCaO,Al2O3,Cr2O3含有量を示す(いずれも<0.15 wt.%).直方輝石の組織と化学組成は,脱蛇紋岩化作用によって形成された変成カンラン岩の特徴と類似している.本発表では,この変成カンラン岩の形成過程について検討をおこなう.
Glodny et al. (2003) Geochimica et Cosmochimica Acta, 67, 4535-4371.
Glodny et al. (2004) Gological Society of London, Memoirs, 30, 87-105.
Ishimaru et al., (2015) Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 110, 76-81.
Meng et al. (2018) Lithos, 302-314.
Sharma et al. (1995) Earth and Planetary Science Letters, 135, 191-114.
Shmelev (2011) Petrology, 19, 618-640. Shmelev et al. (2014) 12th International Platinum Symposium, Yaketerinburg, Field Trip Guidebook,IGG UB RAS,44p.
Yang et al. (2015) Gondwana Research, 27, 459-485.