The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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シンポジウム

シンポジウム2
学校保健活動の充実に向けた取り組みとその評価

座長:郷木 義子(新見公立大学)、下村 淳子(愛知学院大学)

キーワード:学校保健活動、コロナ禍、評価 

 本学会では、毎年共通テーマを設けて学会企画研究を募集している。採択された研究テーマに対し、研究費を交付し、その成果を学術大会の学術委員会企画シンポジウムで発表することとしている。
令和2年度の学会企画研究のテーマは「学校保健の充実に向けた取り組みとその評価」とし募集をしたところ、3題が採択され研究が行われている。
コロナ禍であっても、全国の学校現場では感染症対策や事故防止、緊急時への対応など、子供の心と体を守るためのさまざまな学校保健活動が行われている。これらの意図的な介入である学校保健活動は、子供たちの健やかな成長を目指すものである。そして、これらの取り組みの効果を検証し、評価をすることは、学校保健活動の質を高める上で非常に重要である。
本シンポジウムでは、採択された3題の研究成果について順次発表していただく。その後、学術委員を始めとする参加者を交えて意見交換・討論をする。本シンポジウムは事前録画によるオンデマンド配信であることから、学術大会当日は視聴のみとなることをお許しいただきたい。
3題の貴重な研究成果から、コロナ禍における学校保健活動の充実に向けた取り組みから新たな知見を得ることができるようにすすめたい。
 

シンポジスト
1.オンラインを活用した心肺蘇生教育における短時間の自己再訓練の効果に関する研究
吉田 智子(兵庫教育大学大学院)

2.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による子供たちの運動機能への影響
   鎌田 浩史(筑波大学医学医療系整形外科)

3.中学校・高校におけるスポーツ関連頭部外傷への対応方針についての調査
村田 祐樹(名古屋大学大学院教育発達科学研究科)

シンポジウム

シンポジウム3
教科としての「保健」のさらなる改善に向けて~注目される課題と提案~

座長:野津 有司(筑波大学)、岩田 英樹(金沢大学)

キーワード:学習指導要領、保健の内容、保健の学習指導

 日本学校保健学会は、子供の健康・安全に関わる多種多様な専門家が集う学際的な学会であり、取り扱われるトピックも、時代や社会の要請などにより様々である。そんな中においても、子供が生涯にわたって健康で安全に生活していくための基礎基本を育む保健教育、特に教科としての保健については折に触れて取り上げられ、議論されてきた。しかしながら、学習指導要領の改訂前後の企画が多く、各教科専門学会のように継続的に十分な議論が積み重ねられているとは言い難い。学習指導要領がどう改訂されたのかを検証することはもとより、次の改訂に向けた学術的な提言につなげていくことが何よりも重要と言える。
そこで、本企画では、教科としての「保健」のさらなる改善に向けて、いくつかの観点から注目される課題を取り上げ、問題提起や提案等を行うこととした。まず、保健ではこれまでにも小学校低学年及び高校3年生においても発達の段階に応じた学習内容の位置付けが望まれてきた。最近の幼少連携や、高校での「〇〇総合」「〇〇探究」科目の新設などの動向を踏まえ、保健における可能性を考えることも必要と思われる。また、今次改訂により、すべての教科で位置付けられた「技能」については、保健では十分議論されているとは言えない状況である。そして、保健で取り扱う内容においては、安全に関わる内容の拡充や、性に関する指導の国際的動向など、急速な変化の中で改めて教科として取り扱う内容をどう考えるのかも問われている。さらに、薬物乱用防止教育やがん教育などで推奨されている外部人材の有効活用は、保健担当教員の役割にどのような変化をもたらそうとしているのだろうか。このような課題について、本委員会のメンバーが分担し、今後の議論を深めるための話題提供や提案等を行う。本動画コンテンツの公開ウェブページのコメント欄に、ご感想やご意見などをお寄せいただき、多くの方々と課題意識が共有できれば幸いである。

1.「幼小連携からみた小学校低学年の保健の位置づけ」 内山有子(東洋大学)

2.「高等学校における新科目『保健探究』(仮)の構想に向けて」 野津有司(筑波大学名誉教授)

3. 「保健の『技能』における他教科での取扱いから見た課題」 岩田英樹(金沢大学)

4. 「安全に関する課題の変遷とこれからの保健の内容」 渡邉正樹(東京学芸大学)

5. 「性に関する指導の現状と課題」 渡部基(北海道教育大学)

6. 「保健における外部講師の有効活用の課題」 棟方百熊(岡山大学)


▶チャプターリスト(目次)
0:00 企画趣旨説明 野津有司(筑波大学名誉教授)
03:22 幼小連携からみた小学校低学年の保健の位置づけ 内山有子(東洋大
学)
12:02 高等学校における新科目「保健探求」(仮)の構想に向けて 野津有
司(筑波大学名誉教授)
23:51 保健の「技能」における他教科での取扱いから見た課題 岩田英樹
(金沢大学)
32:39 安全に関する課題の変遷とこれからの保健の内容 渡邉正樹(東京学
芸大学)
41:08 性に関する指導の現状と課題 渡部基(北海道教育大学)
49:36 保健における外部講師の有効活用の課題 棟方百熊(岡山大学)

シンポジウム

シンポジウム4
アジア諸国の学校保健 カンボジアとマレーシアにおける実状・政策と課題

座長:照屋 博行(国際交流委員会)、大沼 久美子(女子栄養大学)、佐々木 司(東京大学)

キーワード:学校保健、東南アジア、政策と現状

 本シンポジウムでは、世界の中でも日本に最も近い国々である東南アジアの学校保健の実状を紹介する。具体的にはについて、カンボジアでの学校保健の開発援助に関わった香川大学の清水ひろ子先生に、カンボジアの学校における学校保健の実状を、またマレーシアからの留学生であるテ ワン リンさんに、マレーシアにおける学校システムと栄養問題・精神保健問題を含めた学校保健の諸問題についてご講演いただく。お二人のご講演後、国際交流委員会委員の司会による質疑応答とdiscussionを行う予定である。