一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(口演)

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O-27~O-31 保健教育

座長:岩田 英樹(金沢大学)

[O-31] 全国の中学校保健体育科教諭の体育実技授業における見学者対応

橋本 実来1, 井村 亘3, 中川 麻衣子2, 中尾 有子2, 難波 知子1 (1.川崎医療福祉大学大学院 医療技術学研究科 健康体育学専攻, 2.川崎医療福祉大学 医療技術学部 健康体育学科, 3.川崎医療福祉大学大学院 医療技術学研究科 健康科学専攻)

キーワード:体育実技授業、見学者、

【目的】中学校保健体育科教諭の体育実技授業における見学者の実態と対応への考えを明らかにする.<BR>【方法】2021年9月, 無作為に抽出した全国公立中学校の保健体育科教諭を対象に,質問紙調査を実施し,1学期の体育実技授業における見学者対応について問うた.量的データは単純集計,記述データは内容を分類した(学内倫理委員会承認番号:21-052).<BR>【結果】回答は369人から得られた(回収率25%).回答者の教員経験年数の平均は14.6年(10年未満:50.7%)であった.1学期の体育実技授業実施の合計は1726件,この内,見学者がいたのは1339件(76.8%),個別学習を提示していたのは933件(69.7%)であった.見学理由は,2677件の回答があり,けが1180件(44.1%),病気755件(28.2%),月経314件(11.7%),精神的214件(8.0%),体操服忘れ125件(4.7%),その他89件(3.3%)であった.見学者対応に関する意見には196人(53.1%)の記述があり,【実践共有】,【多様化する見学理由への対処】,【個別性を考慮した対応ツールの開発】,【評価の妥当性の検討】の必要性と,81件の実践紹介があった.<BR>【考察】体育実技授業の約8割に見学者がおり,回答者の約7割が見学者に対して個別学習を提示していた.一方,多様化する見学理由へ対応するため,一人ひとりの背景を見立てた学習内容と評価の担保を模索している現状が浮き彫りとなった.