一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(口演)

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O-32~O-37 養護教諭、保健室

座長:池添 志乃(高知県立大学)

[O-34] 小中学校担任教諭による養護教諭のリーダーシップ行動の認知―新型コロナウイルス感染症流行下の調査結果からー

後藤 多知子1, 笠巻 純一2 (1.愛知みずほ大学 人間科学部, 2.新潟大学人文社会科学系)

キーワード:養護教諭、リーダーシップ行動、担任教諭

【目的】本研究は, 新型コロナウイルス感染症流行下における学校保健に関わる養護教諭のリーダーシップ行動について,同僚である担任教諭はどのように認知をしているのか,また,その認知と属性や自校の学校保健に関する評価との関連について調査分析をすることを目的とした.【方法】インターネットによるアンケート調査を2022(令和4)年の2月から3月 (新型感染症拡大第6波時期) に実施をした.調査対象校は,東海北陸地方5県の公立小中学校を無作為抽出し,合計小学校200校,中学校200校とした.小学校68名,中学校34名の担任教諭合計102名の回答を得た(有効回答率100%).【結果】【結論】担任教諭が認知する養護教諭のリーダーシップ行動は3因子構造を示し,各々,「積極的に教職員と交流する行動」,「信頼構築の行動」,「学校保健の組織マネジメント行動」と命名をした.「積極的に職員と交流する行動」は,学校規模(児童生徒数)において有意な関連が認められ,小規模校及び大規模校の担任教諭は中規模校より,養護教諭の行動を認知している傾向が示された。また,「学校保健の組織マネジメント行動」は,校種別で有意差が認められ,小学校の担任教諭は中学校よりも養護教諭の行動を認知している傾向が示された。3つの行動は担任教諭による自校の学校保健に関する評価と,多数の項目に中程度の有意な正の関連が認められ,担任教諭による養護教養に対するリーダーシップ行動への認知が高いと学校保健の評価も高い傾向が見られた。