The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-38~O-43 メンタルヘルス1

座長:佐々木 司(東京大学)

[O-39] 高等学校における科目保健「精神疾患の予防と回復」の授業実践に関する検討

山口 起輝1, 竹口 洋子2, 佐藤 伸子1, 松田 芳子1 (1.熊本大学 教育学部 教育学研究科, 2.熊本市立千原台高等学校)

Keywords:科目保健、単元「精神疾患の予防と回復」、先行授業

【目的】新学習指導要領(平成30年度3月告示)において、科目保健に「精神疾患の予防と回復」の内容が位置付けられた。本研究では、令和4年度から実施される本単元の先行授業を通して、指導の効果や今後の課題について検討を行った。【方法】1)対象:A高等学校2年1クラス、41人2)事前アンケートの実施:令和3年12月 生活習慣と心の健康に関するアンケート3)授業の実施:令和3年12月2日、9日、16日、20日 4時間(「精神疾患の定義・特徴及び要因」「精神疾患の特徴的な症状」「精神疾患の予防と回復及び対処」「精神疾患に関する個人の取り組みと社会的な対策」)4)毎回の授業の感想の把握と事後アンケートの実施:令和4年3月【結果】及び【考察】事前・事後アンケートの結果、精神疾患の理解度については、授業直後には高まり、さらに授業3カ月後にも向上していることが分かった。また、各授業の感想では、精神疾患が身近な病気である事や、早期症状に気付くこと、周囲の人の存在や環境づくりの大切さに言及している生徒が多く見られ、自身が悩んだ経験を振り返る生徒も見られた。今回の4時間の授業実践より、「精神疾患の予防と回復」の単元が、生徒の精神疾患に対する理解や、疾病の予防、早期発見・早期治療に対する意識を高めることが示唆された。この学習効果をさらに高めるためにも指導内容の精選や、学習活動の工夫につなげたい。