一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

講演情報

一般演題(口演)

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O-50~O-55 特別支援教育/インクルーシブ教育

座長:竹鼻 ゆかり(東京学芸大学)

[O-52] 院内学級の教師の成長に影響を及ぼす心理社会的要因

副島 賢和1, 竹鼻 ゆかり2, 朝倉 隆司2 (1.昭和大学 大学院 保健医療学研究科, 2.東京学芸大学 芸術・スポーツ科学系 養護教育講座 養護教育分野)

キーワード:成長の要因、院内学級の教師、病弱教育

【目的】院内学級の教師の成長の姿とその要因を明らかにすることである.【方法】院内学級の教師に無記名による自記式質問し調査を行い,236名を分析対象とした.心理的要因,社会的要因,子供や保護者の姿,教育観の獲得,成長の姿について,探索的因子分析と確認的因子分析を行った.得られた下位尺度から,成長に影響を与える要因のモデルを作成した.さらにAMOSを用いたパス解析によりモデルを検証した.【結果】因子分析の結果,院内学級の教師の成長は【病気のある子供の理解と教育実践】と【関係構築力】,【子供感・健康観の変化】の下位尺度を得た.教育観は【病気のある子供の成長と回復を促す教育観】と【病気と共に生きていく力を育む教育観】.心理的要因は【院内学級への学びの意欲】と【肯定的な自己概念】.社会的要因は【励ましや見守りの情緒的サポート・環境】【相談やアドバイスの情報的・道具的サポート】【病院からの評価的サポート】.子どもと保護者の出会いは,【家族や死との関わり】と【病気のある子供との出会い】の下位尺度を得た.これらの変数を用いパス解析によりモデルを検証した結果,院内学級の教師の成長を促すためには,院内学級の教師の教育観の獲得を介して,心理的要因・社会的要因・子供と保護者との出会いが要因になるというモデルが支持された(χ2=.09,df=3,p=.99,CFI=1.00,SRMR=.001,RMSEA<.0001).【結論】院内学級の教師の成長は,心理的要因,社会的要因,子供と保護者との出会い,教育観の獲得が影響することが示された.