一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(口演)

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O-50~O-55 特別支援教育/インクルーシブ教育

座長:竹鼻 ゆかり(東京学芸大学)

[O-53] 特別支援学校に通う知的障がいのある子どもの生活と発達の見えづらさ

沼口 知恵子1, 小室 佳文2, 西川 菜央3, 加藤 令子3 (1.常磐大学 看護学部 看護学科, 2.東京医科大学 医学部 看護学科, 3.関西医科大学 看護学部)

キーワード:見えづらさ、知的障がい、特別支援教育

【目的】特別支援学校に在籍する知的障がいのある子どもの生活と発達の「見えづらさ」と、「見えづらさ」が子どもの生活と発達に与える影響を明らかにする。
【方法】知的障がいのある子どもたちを教育する特別支援学校の教員に半構成面接を実施した。インタビューは、2021年8月から10月に実施した。逐語録を作成し、知的障がいのある子どもの生活と発達の「見えづらさ」が起こる状況、「見えづらさ」が子どもの生活と発達に与える影響について分析した。本研究は、研究者の所属機関の倫理審査委員会の承認を得て実施した。
【結果】協力者は、知的障がいのある子どもを対象とした3特別支援学校教員17名であった。知的障がいのある子どもの「見えづらさ」には、子どもの知的障がいから生じている見えづらさ、子どもの生活年齢と発達年齢の差による見えづらさ、子どもが受けた教育の違いによる見えづらさ、子どもが相手によりかかわりを変えることで生じる見えづらさ、子どもにかかわる者の連携の難しさにより生じる見えづらさの5つの状況が示された。これらの見えづらさが子どもの生活に与える影響として、支援の方向性が決まらない、子どもが持つ本当の能力を発揮できないなどが考えられ、発達の遅れにも影響することが示された。
【考察】発達の遅れに影響する、知的障がいの子どもの「見えづらさ」が生じる状況から、子どもとのかかわり方、保護者との情報共有など、子どもたちの持っている力を引き出す支援を検討する必要性が示唆された。