一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(ポスター)

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P14~P19 健康管理、疾病予防1

座長:中川 秀昭(金沢医科大学(名誉教授))

[P-14] 高等学校における脳しんとうの管理(第2報)

武藤 志保, 畔上 達彦, 室屋 恵子, 河野 恵梨子, 飯高 礼菜, 福富 千尋, 西村 知泰, 森 正明 (慶應義塾大学 保健管理センター)

キーワード:脳しんとう、高校生、学校対応

【目的】脳しんとうとは外力が直接もしくは間接的に頭部に加わることで、頭痛や眩暈等の様々な症状や認知・平衡機能への影響を引き起こす頭部外傷である。脳しんとうの症状が完全に回復する前に運動を再開すると、脳しんとうを再発する危険性が高くなる。2016年に「高等学校における脳しんとう後の学校対応フローチャート」を作成し、運用開始したことにより、学校内での対応が標準化され、情報収集も可能となっている。今回はフローチャート導入後の発生状況について報告する。
【方法】2016年度より運用を開始した2高校、2018年度より運用を開始した2高校について、脳しんとうの発生状況等を調査した。
【結果】運用を開始した2016年度から2021年度までの脳しんとうの発生件数は4校合計で220件だった。受傷理由はクラブ活動中が最も多く、次いで体育・運動行事中となっている。2020年度の発生総数は過去と比較すると減少し、2021年度は例年と同程度の発生件数に戻っていることから、新型コロナウイルス感染症対策として一斉休校やクラブ活動を停止した影響と推測する。複数回受傷(49件)や症状遷延(15件)した事例もあった。
【結論】作成したフローチャートに基づく管理は、生徒の健康管理に加えて、学校の安全配慮義務からも有用と考えられ、今後も運用を継続していく方針である。