一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(ポスター)

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P14~P19 健康管理、疾病予防1

座長:中川 秀昭(金沢医科大学(名誉教授))

[P-16] 女子大学生における血管老化関連要因の検討

後藤 知己1,2, 児玉 真優1, 高木 梨沙子1, 宇野 詩織1, 前田 菜々子1, 大益 史弘3 (1.熊本大学 教育学部 養護教育講座, 2.熊本大学 大学院生命科学研究部 生涯健康教育学講座, 3.山形県立米沢栄養大学 健康栄養学部)

キーワード:血管老化、動脈硬化、予防教育

【目的】動脈硬化は、血管の老化であると考えられ、子ども時代からの長年の生活習慣の乱れと深く関連しており、既に子ども時代から始まっている。そこで我々は、血管老化の背景因子を追求し、養護教諭の健康教育や保健指導に、その成果を取り入れることを目的に本研究を行った。【方法】協力に同意したK大学教育学部に在籍する女子大学生111名を対象に、生活習慣並びに動脈硬化の知識に関するアンケートを行うとともに、身長、体重、体脂肪率、血管年齢等の測定を行った。血管弾力性については、Body Checker(東京医研株式会社)を使用し、測定した。【結果】血管弾力性の測定値を用いて、対象者を血管老化群と、非血管老化群に分類した。血管老化群は、17人(15%)であった。血管老化群が占める割合は、19から22歳では、約10%であったが、23歳以上になると37%と、3倍以上も割合が高くなった。また、BMIは、血管老化群(BMI平均19.2)の方が、非血管老化群(BMI平均21.1)よりも低く、痩せている傾向があった。肥満傾向だけでなく、適正値より痩せていることも、血管の老化進行に影響を与えている可能性がある。血管老化群は、間食が多く、運動時間が大学入学以前より短い傾向があった。また、動脈硬化の知識を問うたところ、養護教諭養成課程以外で知識を得たという学生は少なかった。【結論】血管の健康は、健康寿命に大きく影響する。小中高校時代からの、血管の老化を防止するための健康教育が必要であろう。