一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(ポスター)

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P14~P19 健康管理、疾病予防1

座長:中川 秀昭(金沢医科大学(名誉教授))

[P-19] 月経随伴症状に対する温熱刺激を用いたセルフケアの効果に関する文献検討

永井 千佳子, 成 順月, 薬袋 淳子 (岐阜医療科学大学大学院 保健医療学研究科)

キーワード:月経随伴症状、温熱刺激、セルフケア

【目的】 思春期女子の8割以上が何らかの月経随伴症状を抱えている。そのため、有効なセルフケア方法に関する情報提供が求められる。そこで本研究は、文献レビューを通し、月経随伴症状の発症予防が期待できる温熱刺激によるセルフケアの効果を明らかにすることを目的とした。【方法】医学中央雑誌、メディカルオンラインの文献電子データベースにより、「月経随伴症状」「月経困難症」「月経痛」と「温罨法」「温熱刺激」「灸刺激」を組み合わせた検索ワードを用いて2001~2021年に限定して検索を行った。会議録を除き、本研究の目的にあった介入研究であり、学術誌に掲載されている12件を分析した。【結果】 用いた温熱刺激方法は、蒸気温熱シートが6件、カイロが2件、灸が4件であった。温熱刺激部位は、蒸気温熱シートは下腹部または腰背部、カイロは腹部が1件と三陰交が1件、灸は三陰交であった。月経痛の緩和は全ての温熱刺激方法で認められた。蒸気温熱シート法では2件のみ、三陰交への灸刺激では月経痛への効果のみを調べた1件以外の3件で、月経随伴症状(MDQ)得点が有意に低下した。これに加え三陰交への灸刺激は睡眠質や月経前症候群の改善にも効果が認められた。【結論】 温熱刺激を用いたセルフケアは月経痛の軽減に有効でることが明らかとなった。また、三陰交への灸刺激は月経痛だけではなく、月経前症候群を含めたその他の月経随伴症状の軽減にも有効である可能性が示された。