[P-28] 保健体育科教諭及び養護教諭の高校生に対する妊孕性教育の経験と認識に関する調査
Keywords:妊孕性教育、高等学校、教諭
【目的】高校勤務の保健体育科教諭及び養護教諭の妊孕性に関する知識、妊孕性教育の経験や意識を明らかにする。【方法】2021年,A県立高等学校に勤務する全保健体育科教諭及び養護教諭を対象に、無記名の質問紙調査を行った。妊孕性に関する23の質問項目を作成し、どの程度知っているか、高校生が卒業までに知っておいた方がよい項目等を尋ねた。平成30年高等学校学習指導要領解説改訂に伴う妊孕性に関する追記について、指導意向を尋ねた。【結果】回収率は53.1%、保健体育科教諭145人、養護教諭46人であった。妊孕性に関する知識は、「よく知っている」の回答が50%を超えたのは保健体育科教諭で4項目、養護教諭で19項目であった。高校卒業までに知っておいた方がよいと回答された知識は、男女の加齢、喫煙やSTDの影響、高年妊娠のリスク、月経不順や女子の痩せ肥満・運動等であった。女子の痩せ肥満については4割の者が指導経験がないと回答した。加齢や高年妊娠、不妊等は保健体育科教諭の方が、月経不順や婦人科疾患等は養護教諭の方が、有意に指導経験割合が高かった。新学習指導要領解説の妊孕性に関する追記事項の準備状況は、「既に指導を始めている」33.9%、「具体的計画はない」42.0%であった。【結論】両者ともに妊孕性の知識について高い自己認識を示した。約半数の項目は高校生が知っておいた方がよいと回答されたが指導経験は項目によって差があり、職種や性別、保健学習と個別指導いずれを担う立場であるかが影響していると考えられた。