一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

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一般演題(ポスター)

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P37~P41 保健教育

座長:七木田 文彦(埼玉大学)

[P-38] 「学校保健」における教材の有効性に関する検討 ―ヤングケアラ-に着目して―

郷木 義子, 栗本 一美, 三上 ゆみ, 山野井 尚美 (新見公立大学 健康科学部 看護学科)

キーワード:学校保健、ヤングケアラー、教材

【目的】「ヤングケアラー」を「学校保健」の講義で取り上げ、教職免許取得学生の教材の有効性に関する基礎資料とするために、学修内容の傾向について明らかにすることを目的とした。【方法】1)対象:A大学の「学校保健」受講者28名 2)調査期間:2021年5月~10月 3)方法:2021年4月13日A新聞に掲載された厚生労働省と文部科学省が実施した「ヤングケアラー」初実態調査記事を教材として用い、学生のレポート「学びと課題」から内容分析を行い、類似性に沿ってコード化した。【結果】310の総コードから15サブカテゴリが抽出され、【存在と実態】【当事者の現状】【当事者への影響】【認知度】【支援体制と課題】【支援方法】の6カテゴリに集約された。学生たちは<存在の多い事>を認識し、支援している対象を<幼い兄弟や身体障害のある父母など>と知り、対象が両親であることから、<経済的な貧困や経済的困窮>を挙げていた。更に<同世代からの孤立、学業・進路への影響、部活動や友人と過ごす時間>等、この時期の重要な発達課題が達成できない懸念を感じていた。また、支援体制として<学校が、子どものつらさを受け止める心理的な支えになり、学外の福祉的支援につないでいく必要がある>など<学校の支援体制>の在り方ついて考えていた。【結論】提示した教材から学生たちは多くの学びをしていた。将来教職に就く学生として、児童生徒の発達課題、教育を受ける保障等考える機会になることが明らかになった。