[P-40] PRECEDE-POCEEDモデル理解を促す「学校保健」授業設計とその効果測定:集団の健康課題の抽出と構造化をねらいとして
Keywords:Precede-Proceed、授業設計、学校保健
【目的】本研究は、養護教諭や学校看護職に必要な対象集団の健康課題アセスメント能力と、課題解決のための健康教育の企画力育成のための授業設計とその効果測定を目的とする。【方法】A学看護学科2年生の2021年度「学校保健」におけるPRECEDE-POCEEDモデル(PPM)を援用した授業の学習効果を測定した。第5回授業「食育、飲酒/喫煙/薬物、がん教育」にて、関連統計を提示し、PPMに沿って背景要因を概説。授業後レポート「各教育の必要性(n=77)」から、PPM過程(1)QOL(2)疫学(3)行動環境(4)エコロジカル各診断と(5)施策のワードを抽出し、概念の理解度をみた。【結果】テーマ別のPPM関連ワードをみると、食育は、(1)77%,(2)15%,(3)100%,(4)23%, (5)38%で、学力と朝食欠食の関連などQOLや行動診断の理解が高く、飲酒/喫煙/薬物乱用は、(1)2%,(2)62%,(3)85%,(4)85%,(5)62%で、ヘルスリテラシーの欠如や、周囲の誘いなど動機に関するエコロジカル診断の理解が高かった。がん教育は、(1)5%,(2)100%,(3)31%,(4)77%,(5)23%で、喫煙リスクなどの疫学診断やリテラシー等エコロジカル診断の理解が高かった。【考察】PPM等での背景要因整理は、保健師や養護教諭等、集団の健康増進検討に重要で、(1)QOLは、健康教育等施策の目的・成果指標(評価)と表裏一体で、食育の(2)疫学的背景も、健康教育の内容・優先度検討等の根拠として重要である。今後これらの理解促進に向けた教材の更なる工夫が必要と考える。