一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

講演情報

一般演題(ポスター)

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P47~P50 養護教諭、保健室2

座長:荒川 雅子(東京学芸大学)

[P-49] 子ども支援のための関係職種との協働をコーディネートする養護教諭の実践における困難な状況―養護教諭の実践事例の検討―

亀崎 路子, 黒子 彩子 (杏林大学 保健学部 看護学科)

キーワード:養護教諭、関係職種との協働、コーディネート

【目的】近年,複雑化する子どもの健康問題に応じるため関係職種との協働は必須であり,学校内外の多様な職種との協働にかかわる養護教諭の効果的なコーディネートを具体的に明らかにする必要があると考える.一方で学校にはコーディネートを担当する教員が位置付けられ多様な切り口から対応する状況があることから困難や課題があると推測する。そこで,子どもの健康課題に気づき,子ども支援のための学校内外の関係職種との協働を効果的にコーディネートする際に,養護教諭が遭遇する現場の状況や困難を明らかにし,養護教諭の実践に示唆を得ることを目的とした.【方法】倫理審査の承認を得て,研究者および研究協力者がつながりを持つ地域において,選定方針のもとに調査協力への同意の得られた小・中・高校養護教諭6名を対象に,関係職種との協働を展開し効果をあげた経験のある実践事例について,インタビューガイドを用いて半構成的インタビュー調査を実施した.収集した逐語記録からデータ源を作成し,研究対象者から真実性についてのメンバーチェッキングを受け,質的記述的に分析した.【結果】困難は,子どもが保健室を居場所にする状態,物理的な保健室環境,学級担任の傾向や力量,管理職の傾向,校内組織や支援体制づくりの傾向や問題,保護者の傾向や認識,主治医との相性,関係機関の支援の切れ目に起因する状況に整理された. 【結論】養護教諭は,困難な状況を解消するため,コーディネートの実践を工夫していることが示唆された.