下大静脈フィルターの功罪

[PR-10-4] 下大静脈フィルターによる急性期・慢性期合併症

^〇中間泰晴, 森田祐一, 播磨綾子, 橋本東樹, 臺和興, 大井邦臣, 岡俊治, 西岡健司, 三浦史晴, 嶋谷雄二, 井上一郎 (広島市立広島市民病院)

Keywords:IVC filter, Complication

下肢深部静脈血栓症・急性肺血栓塞栓症の治療において急性期予後を唯一改善させるものは下大静脈フィルターであるとの報告がある。比較的安全に手技を施行できるものであるが，様々な合併症の報告があり注意が必要である。【目的】下大静脈フィルターによる合併症を検討し，より安全な使用法・使用時の注意点を検討すること【方法】今回，我々はH18年1月～H23年12月に当院において下大静脈フィルター留置を施行された158症例に関して，急性期・慢性期の合併症について調査した。【結果】下大静脈フィルターによる合併症としてmigration 2例，perforation 9例，フィルター留置位置異常 4例，抜去困難例 3例，フィルター血栓症 3例を認めた。特にフィルター血栓症のうち2例は先天性凝固異常を有数患者であり下大静脈閉塞を来した。【結論】各フィルターに対してその性質を熟知した上で細心の注意を払って留置することが必要と考えられた。また先天性凝固異常が疑われる患者に対するフィルター留置は下大静脈閉塞の危険があり注意が必要であると考えられる。下大静脈閉塞を来した患者に関して症例提示する。