日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[I-29-07_09] 畜産物利用(I-午前)

2019年3月29日(金) 10:00 〜 10:30 第I会場 (8号館8301講義室)

座長:中村 正(帯畜大)

10:10 〜 10:20

[I29-08] 乳酸菌組換え体が分泌するカルシトニン遺伝子関連ペプチドのマウスマクロファージにおける抗炎症効果

生井 楓1, 重盛 駿2, 荻田 佑3, 下里 剛士4 (1.信州大院総合理工, 2.信州大農, 3.信州大バイオメディカル研, 4.信州大菌類・微生物セ)

【目的】中枢神経系等に存在するカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は,抗炎症効果を有するペプチドとして知られている[1].本研究では,CGRPを用いた新たな炎症制御を目指し,組換え(r)CGRPを発現する乳酸菌組換え体(gmLAB)を構築した.また,同gmLABの分泌するrCGRPの抗炎症効果について腹腔マクロファージ(pmφ)を用いて検証した.
【方法】遺伝子発現ベクター(pNZ8148#2:SEC)にマウスCGRP遺伝子を挿入し,pNZ8148#2:SEC-CGRPを構築した.同ベクターをLactococcus lactis NZ9000に導入しgmLAB,NZ-CGRPを構築した.rCGRPの発現は,抗His-tag抗体を用いたWestern blotにて解析した.マウスよりpmφを調製し,LPSおよびrCGRPで共刺激後,TNF-α mRNA発現レベルを測定した.
【結果】Western blotによる発現解析では,発現誘導を行ったNZ-CGRPにおいてrCGRPと一致するバンドを検出した.pmφを用いた抗炎症効果の検証では,LPSによって誘導されたTNF-αのmRNA発現が,rCGRPの添加濃度依存的に抑制された.
[1] Duan J, et al, Mol Immunol, 91, 105–113, 2017