09:20 〜 09:30
[II29-03] 異なる発酵日数によるオオムギ混合シイタケ廃菌床サイレージの性状と消化性の変化
【目的】キノコ廃菌床(SMS)のサイレージ化には良好な発酵のために糖質添加が必要である.SMSに糖質としてフスマを混合後,サイレージ化した場合,揮発性塩基態窒素(VBN)が高く,NDF消化率が35%前後と低かった.そのため,発酵に適した異なる糖質の選定が必要となった.そこで,オオムギを添加糖質として,異なる発酵日数によるシイタケ廃菌床サイレージの性状と消化性の変化を調べた.【方法】シイタケ廃菌床とオオムギを原物重量比9:1で混合し,乳酸菌製剤を5 mg/kg添加後,1 Ⅼ密封容器内で30,50,70,90日間発酵させた.各発酵期間のサイレージの成分と性状,ヤギの第一胃内容液を用いたin vitro消化試験による乾物(DM),有機物,中性デタージェント繊維(NDF)の各消化率を測定した.【結果】サイレージ化によって粗脂肪とNDFの含有率は減少する一方,粗タンパク質の含有率は発酵期間の延長により増加した(p<0.05).全発酵期間においてpHは3.8前後であり,総窒素中のVBNは5%前後と良好な発酵が進行したと考えられた.他方,DMおよびNDFの消化率は50日間発酵で低下したが(p<0.05),70日と90日間発酵では,いずれの発酵期間でも45%前後および40%前後であった.オオムギを混合したSMSサイレージは,VBNの発生を抑制し,フスマ混合時よりNDF消化率を向上させることが示された.