11:30 〜 11:40
[II29-16] 肥育前期飼料の中性デタージェント繊維(NDF)濃度が黒毛和種去勢牛の産肉性、第一胃液性状および枝肉性状に及ぼす影響
【目的】肥育前期飼料の中性デタージェント繊維(NDF)濃度が黒毛和種去勢牛の産肉性,第一胃液性状および枝肉性状に及ぼす影響について検討した.【方法】試験は10か月齢の黒毛和種去勢牛20頭を用いて,肥育前期飼料のNDF割合(乾物中)が45-40%の低NDF区(7頭),NDFが5%高い中NDF区(7頭)および10%高い高NDF区(6頭)を設け,肥育中期以降のNDF割合を各区同一として30か月齢まで肥育した.第一胃液は肥育ステージ毎に全頭から経口採取,あるいは各区3頭ずつフィステルを装着して経時的に採取し,pHおよびVFAの日内変動も調査した.【結果】肥育前期終了時の体重は低NDF区が他の区に比べて重く,試験終了時では最も軽くなったものの有意な差は認められなかった.肥育前期終了時の第一胃液性状では,低NDF区は他の区に比べて有意にプロピオン酸割合が高く,A/P比が低かった(P<0.05).VFAの日内変動では,低NDF区は他の区に比べてプロピオン酸割合およびエンドトキシン濃度が高く,A/P比が低く推移した.枝肉成績では,脂肪交雑は高NDF区が中NDF区に比べて低い傾向が認められた(P<0.1).胸最長筋内脂肪の脂肪酸組成では,モノ不飽和脂肪酸割合は低NDF区が高NDF区に比べて低い傾向が認められた(P<0.1).