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[II29-23] 乳牛の初-2産間における乾乳期間と栄養管理の違いが産乳と繁殖性に及ぼす影響
【目的】乳牛の初-2産間における乾乳期間の短縮と,乾乳期の蛋白給与量の違いが産乳と繁殖性に及ぼす影響を検討した.【方法】公立13試験場の2産目を迎えるホルスタイン種経産牛52頭を供試した.対照区(18頭)は分娩予定60日前に,短縮区(16頭)と短縮強化区(18頭)は35日前に乾乳した.対照区は分娩予定60~22日前に乾乳前期飼料,それ以降は乾乳後期飼料を,短縮区は全期間乾乳後期飼料を,短縮強化区は全期間成長要求量の2倍蛋白を摂取できるようバイパス蛋白を補給した乾乳後期飼料を給与した.分娩後は全区同一飼料を給与し16週間の飼養試験を行った.繁殖については分娩後20週間までの成績とした.【結果】短縮区および短縮強化区は対照区と比較し分娩後の乾物摂取量および乳量が減少したが,体重,BCS,TDN充足率,CP充足率に差はなく,乳蛋白質率が向上し(P<0.05),短縮強化区では乳脂肪率,無脂固形分率が向上した(P<0.05).繁殖成績では,短縮強化区で発情回帰日数が対照区に比較して短い傾向が認められ(P<0.1),有意差はないが受胎までの日数が最も短くなった.以上から,初-2産間において乾乳期を35日に短縮すると,乳量が減少するものの,乳成分は向上する可能性が示唆された.また,乾乳期短縮時に蛋白質飼料を増給すると発情回帰日数を短縮させ,繁殖性を向上させる可能性が示された.