日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[IX-29-04_06] 遺伝・育種 (IX-午前)

2019年3月29日(金) 09:30 〜 10:00 第IX会場 (8号館8502講義室)

座長:西堀 正英(広島大院生物圏)

09:40 〜 09:50

[IX29-05] マイクロサテライトおよびミトコンドリアDNA多型に基づく国内エミュー集団の遺伝的多様性

輿石 雄一, 大久保 倫子, 下井 岳, 平山 博樹, 相馬 幸作, 和田 健太 (東農大院生物生産)

【目的】エミューは新たな動物資源として注目されているものの,国内集団の遺伝的構造は明らかではない.そこで我々は,国内エミュー集団の遺伝的多様性を調査した.【方法】遺伝的多様性は北海道網走市(AE),東北サファリパーク(TS)および福岡県(FE)の飼育集団の,それぞれ50,19および68個体を対象として,独自に開発したSSRマーカーおよびD-loop領域の多型により評価した.【結果】10種類のSSRにおいてAE,TSおよびFEにそれぞれ56,42および63のアレルが検出され,そのうち7,3および14種類はプライベートアレルであった.ヘテロ接合率(HE/HO)は,それぞれ0.55/0.43,0.62/0.44および0.65/0.58であり,FISは,それぞれ0.179,0.279および0.096であった.一方,D-loopにはa-cの3種類のハプロタイプ(Hap)が検出され,それぞれの頻度(a/b/c)はAEで0.84/0.13/0.03,TSで0.68/0.00/0.32およびFEで0.79/0.21/0.00であった.以上の結果から,SSR解析はFEが最も高い遺伝的多様度を示し,ミトコンドリアDNA解析はHap-aが大部分を占めるものの,AEおよびFEと,TSのハプロタイプ頻度に差異があることを示した.