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[IX29-08] ヒトコブラクダとフタコブラクダの交雑評価法の開発と応用
カザフスタンでは2種類のラクダ(ヒトコブラクダとフタコブラクダ)が飼われ,乳・肉・毛を目的に広い地域で両種の交雑家畜が利用されている.しかし交雑を定量的に判定する遺伝的手法の開発は遅れており,交雑利用の実態や交雑家畜の管理状況は十分に把握できていない.本研究では,Ruizら(2015)が各種ラクダに特異的だと報告した12種類のSNP(一塩基多型)を診断標識に使い,マルチプレックスSNaPshot®法で遺伝子型同時判定を行う分析法を考案した.さらに2018年8月にカザフスタン西部のアクタウ周辺で行った調査でこの方法を応用し交雑状況を調べた.この結果,検査した36 個体のラクダの多くは複雑に交雑していることが判明し,調査地域ではヒトコブラクダの影響が強いことが示唆された.開発した方法で個体や集団の交雑状況を調査すれば,今後の動物資源管理や改良に役立つ基礎情報になることが期待できる.