日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[IX-29-07_09] 遺伝・育種 (IX-午前)

2019年3月29日(金) 10:00 〜 10:30 第IX会場 (8号館8502講義室)

座長:下桐 猛(鹿大農)

10:10 〜 10:20

[IX29-08] ヒトコブラクダとフタコブラクダの交雑評価法の開発と応用

川本 芳1, 西堀 正英2, 国枝 哲夫3, 木村 李花子4, 吉開 純也2, Polat Kazymbet5, Meirat Bakhtin5 (1.日獣生科大獣, 2.広島大院生物圏, 3.岡山大環境生命, 4.東農大教職学術情報, 5.アスタナ医科大放射線生物研)

カザフスタンでは2種類のラクダ(ヒトコブラクダとフタコブラクダ)が飼われ,乳・肉・毛を目的に広い地域で両種の交雑家畜が利用されている.しかし交雑を定量的に判定する遺伝的手法の開発は遅れており,交雑利用の実態や交雑家畜の管理状況は十分に把握できていない.本研究では,Ruizら(2015)が各種ラクダに特異的だと報告した12種類のSNP(一塩基多型)を診断標識に使い,マルチプレックスSNaPshot®法で遺伝子型同時判定を行う分析法を考案した.さらに2018年8月にカザフスタン西部のアクタウ周辺で行った調査でこの方法を応用し交雑状況を調べた.この結果,検査した36 個体のラクダの多くは複雑に交雑していることが判明し,調査地域ではヒトコブラクダの影響が強いことが示唆された.開発した方法で個体や集団の交雑状況を調査すれば,今後の動物資源管理や改良に役立つ基礎情報になることが期待できる.