日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[IX-29-07_09] 遺伝・育種 (IX-午前)

2019年3月29日(金) 10:00 〜 10:30 第IX会場 (8号館8502講義室)

座長:下桐 猛(鹿大農)

10:20 〜 10:30

[IX29-09] mtDNA D-loop領域とSRY遺伝子の塩基配列に基づいたネパール在来ヤギの遺伝的類縁関係

野村 悠登1, 国枝 哲夫2, Manoj Shah3, 笹崎 晋史1, 川口 芙岐1, 万年 英之1 (1.神戸大農, 2.岡山大農, 3.Regional Agriculture Research Station in Kathmandu)

【目的】ネパール在来ヤギは標高毎に飼育される4品種がある (高山・丘陵・平原地帯).本研究ではmtDNA D-loop領域とSRY遺伝子の塩基配列に基づく遺伝的多様性解析を行い遺伝構造の比較を目的とした.
【方法】在来ヤギ136頭を供試した (Chyangra37, Sinhal29, Khari34, Terai36).これらに対しD-loop HV1領域 (481bp)とSRY遺伝子3 ’UTR領域の塩基配列 (543bp)の塩基配列決定,及び解析を行った.
【結果】HV1領域では136頭から102箇所の突然変異が確認され,77ハプロタイプが観察された.系統解析から系統A (111個体;61ハプロタイプ),B1 (16;8),B2 ( 1;1),D (7;6),G (1;1)に分類された.系統B2がChyangra (1/37)のみ,DがChyangra (6/37)とSinhal (1/29),GがChyangra (1/37)のみで観察された.SRYでは4箇所の変異に基づきY1A (48個体),Y2A (2),Y2B (37)ハプロタイプが確認され,Sinhalで1(Y2B: 9個体),Chyangraで2 (Y1A: 15,Y2B: 15),Teraiで2 (Y1A: 19,Y2B: 7),Khariで3 (Y1A: 14,Y2A: 2,Y2B: 6)が観察された.これらからネパール在来ヤギは品種毎に異なる遺伝的背景を持つことが示唆された.